「待ってるって言ったのに・・・兄貴のアホ」


検査が全て終了した時にはすでに8時を過ぎていた。

兄貴は操作が入ったとかで待合室には姿がなかった。

早く終わらせたのに。残念な面持ちで俺は病院をあとにする。

帰り道家に食物がないことを思い出してコンビニに寄った。

いらっしゃいませーと店員の機械的な声を聞き流し何を食べようか考える。

ふと店の中を見ると棚から頭幾つ分か飛び出している紫色の髪の大男がいた。

その大男は籠にたくさんのお菓子を詰め込み幸せそうにしている。

異様な光景にしか見れない。が俺は何事もなかったようにパンのコーナーでパンを1つ手に取る。

食後に、とデザートコーナーでシュークリームを取ろうとした。


「「あ」」


先ほどの大男と手がかぶる。

タッチ差でシュークリームの袋は俺が手にしているわけだが、大男はじっとそのシュークリームを見ている。


「欲しいのか?」


そう問いかけると、


「うん。欲しい。というかくれなかったらひねり潰しちゃいそう」


と大男が真面目に言うものだから、俺はシュークリームを渡した。

たかがシュークリーム1つでひねり潰されたらたまったもんじゃない。

大男は嬉しそうに受け取り、レジへと向かう。

なんだったんだ、あいつは。

レジをしてる大男を横目にプリンを1つとって隣のレジへと足を進めた。












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