||| plus alpha



それから5年後。

俺はロケット団幹部としてシルフカンパニーを占領していた。

サカキ様の所へと通じるワープゾーンの横で侵入者を待つ。


「まさかこんなところで会うなんてな、レッド」

「・・・どうして貴方がロケット団幹部に?」

「さてね。とりあえずお前をサカキ様の所へは行かせない。勝負だ、レッド!」

「こんな所で約束を果たされても嬉しくはないんだけどね。ピカチュウ!」

「ゆけっケンタロス!」


タマムシのアジトが赤い帽子の少年に大破された。

その報告が来た時にまさか、とは思っていた。

でも実際この目で見て確信する。赤い帽子の少年はレッドだ。


「ピカチュウ10万ボルト!」

「っケンタロス破壊光線!」


5年も会ってないうちにメキメキとバトルの腕が上がっているらしい。

もう、俺の手持ちは残っていない。


「俺の勝ちだね」

「ああ。そうだな。強くなったよ・・・」


大きくなった体を抱きしめて頭を撫でる。

レッドは嬉しそうに顔をくちゃくちゃにして笑った。


「さ、そこのワープゾーンに乗ればサカキ様のところだ。行けよ」

「・・・いかないよ」

「どうして?」

「だって俺は別にロケット団を壊滅しに来たんじゃない。貴方を取り戻しに来たんだ」

「ど、うい・・・うっ・・・」


首に重い痛み。

後ろを振り向くと目の光が消えたグリーンが俺に手刀を食らわしていた。

ああ、お前も大きくなりやがって。

俺の目の前は真っ暗になった。


「レッドばかりずりーぞ」

「ジャンケンで勝ったんだしょうがないだろ?」

「ったく。でも、これでやっとだな」

「うん。ようやく俺たちの元へ帰って来た」



旅に出てすぐ負け続きの貴方をサカキがロケット団へ勧誘したのを俺たちは知った。

そして幹部になり、今ではサカキの右腕だということも。

僕たちはそれが許せなかった。僕たちの隣で入ればいいのに他の男に尻をふるなんて。

だから貴方を取り戻すついでに貴方の全てであるロケット団を壊滅する事にした。


「起きたら・・・すべてが終わってるよ」

「早く起きろよな」


両頬にキスをおとし、抱きしめたままワープゾーンへと乗る。

さあ。貴方を誘惑したサカキを倒しに行こうか。






Nov 23, 2012 06:45
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