崩れていく、壊れていく

※夢主嫌われ表現有



下駄箱の扉を開くと、中履きの代わりにゴミと「死ね」など書かれた紙があった。私はそれを慣れた手つきで回収をすると、近くにあったゴミ箱に入れた。中履きは結局見つからないから、来客用のスリッパを借りて教室に向かう。その間にも、敵意を向けられ、足を引っ掛けられたり、コソコソと私を中傷する陰口を言われた。もう慣れたけど。教室に入ってもクラスメイトは私を徹底的に無視をするから、話しかけるのを諦めた。自分の席に着くと、机には中傷の言葉で埋め尽くされていた。これまた「死ね」のオンパレードでこれ書いた奴等は語彙力ないなとひとりでごちた。ある日始まったイジメは私の中で日常化していた。



昼休み。先日まで友達と楽しく過ごしていたけど今は憂鬱で仕方がない。学校で居場所がない私は体育館の裏の隅で寂しく過ごしていた。一番、これが辛かった。でも、最近は一つ楽しみができた。

「みょうじセンパイ」

振り返ると黄瀬君が微笑んでいた。私は、涙が出そうだったけど、堪えて黄瀬君に笑いかけた。
いつもの体育館裏の隅でご飯を食べていたら、偶然黄瀬君が通りかかって、声をかけられた。最初はからかわれて、「友達いないんスか?」と聞かれ、押し黙っていたら何かを察したのか、黄瀬君は私の隣に座ると頭を撫でてきた。「大丈夫っス」と言われて、黄瀬君の胸の中で大泣きした。今思うと黒歴史。

「俺はみょうじセンパイの味方っス」

黄瀬君は私を抱きしめると、あやす様に背中を摩った。それが心地よくて、目を細めて身を委ねた。大丈夫、私はまだ頑張れる。







「黄瀬君、好きです!付き合ってください」

「ごめん、俺なまえセンパイが好きなんだ」

そう言うと、一瞬悲しそうな顔をしたのに、瞳は憎悪に染まった。握り締められた拳を見て、俺は心の中でほくそ笑んだ。こうして、彼女を孤立させて俺が味方になれば、きっと俺だけを見てくれる。だから、あと少し。
(センパイはずっと俺の傍で、俺のために笑ってればいいんだ)

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