Best friend

バッドタイミング。半年付き合った彼氏から別れを告げられ、涙目で帰っていると、クラスメイトの宮地と遭遇した。今、この涙目の姿を見られたら確実にバカにされるのは目に見えているので、コートの袖口で目を擦った。

「みょうじ、こんな遅くに何してんだよ」

「お前は、生徒指導部の先生かよ。デートだったんだよ!察しろよ!!」

「あ!?リア充爆発しろ!」

宮地は私の頭を大きな手で掴むと、ギュッギュと押し潰してきた。やめろ、縮む。「まぁ、別れましたが」と言うと、宮地は驚いた表情を浮かべていた。私は宮地の手を払うと、笑うしかなかった。

「宮地は部活?」

「ああ、俺の恋人はバスケだし」

「寂しい奴だね」

「お前もだろ」

宮地は茶化す様に言うけど、大きな手は私の頭を優しく撫でていた。少し跳ねている毛先を指に絡ませると、あの宮地が、あの宮地が微笑んだ。

「なんだよ」

「いや、宮地が優しく微笑むから」

「なにそれ、俺が優しくねーみたいじゃねーか」

「そうじゃん、宮地口悪いし、無愛想だし」

「ああ!?みょうじよりは口悪くねーよ」

なんか、宮地と話してたら楽になった。携帯のサブディスプレイで時間を確認すると、そろそろ門限が近いことに気がついた。

「じゃあ、私家がこっちだから」

「あ、みょうじ」

「何?」

「あのさ…家まで送ってく」

宮地はそっぽ向いて、ぶっきらぼうに言うけど、耳が真っ赤だった。私は、口元を綻ばせながら、宮地の腕に抱きついた。


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宮地で甘い感じの話

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