メランコリック・マインド

「緑間君ってさー」

昼休み。お菓子を食べながら前の席の宮地と世間話をしていた。で、廊下を話題の(いろんな意味で)緑間君が通ったから、彼の事を聞いてみたら、宮地は眉を寄せて「緑間ぁ〜?」と声を荒げられた。

「後輩でしょ?」

「んだけど、アイツがどうした」

「美人さんだよね」

「ブハッ」

宮地が飲んでいたカフェオレの飛沫が机に飛び散った。わざとらしく咳き込む宮地を他所に、私は持っていたティッシュで机を拭いた。

「美人?緑間が美人?」

「睫毛長くてバサバサしてるし、顔も綺麗に整っているじゃん。あと、背も高くて手足長いし」

王子様だよね。と宮地に言うと、露骨に嫌な顔された。可愛い後輩じゃない。その表情は酷い。

「緑間が王子様とかウケるわ。あいつは王子様ってより、ワガママがヒデェ女王様だわ」

「あー女王様もいいね」

宮地の意見に同意すると、何故か気に障ったのか、不貞腐れてしまった。なんか今日は機嫌が悪いみたい。お菓子を差し出すと、手を叩かれて「いらない」って素っ気なく言われた。

「みょうじさー緑間が気になんの?」

「うん、気になるね」

「じゃあ、緑間と付き合えば」

今度は宮地の発言に私が眉を寄せた。緑間君は、睫毛バサバサで美人なのに、いつも意味不明な小物持ち歩いて目立って変だし。あと、語尾が面白い。眺めてるだけで面白そう。ま、あくまで鑑賞対象としての感情で、緑間君カッコいい!抱いて!!と言う感情は一切ない。何故と尋ねると、宮地は机を叩くと乱暴に立ち上がった。

「そんなに気になるなら緑間と付き合えよ」

「え、なんで?」

「みょうじは緑間が好きなんだろ?」

「違うけど」

「え、へっ?」

「緑間くんがいっつも変な小物を持ち歩いているから、宮地に聞いただけだよ」

そう言うと、宮地は気が抜けたのか静かに椅子に座ると、項垂れた。そして、うわ言のように「あー」とか「うわー」と言うと、急にガバッと顔をあげた。

「今の忘れろ」

「なんで」

「いいから忘れろ!轢くぞ!」

ガリガリと頭を掻きながら吐き捨てると、机に突っ伏した。宮地の耳が微かに赤く染まっていて、私は小首を傾げた。



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緑間を好きだと勘違いして同級生の夢主に八つ当たりする宮地さん(夢主視点)

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