シロガネヤマの険しい山道を登り、やっと頂上付近に到着した。
やけに今日は寒い。
雪は止んでいるが、昨晩の吹雪で雪は積もっていた。
この場には不釣り合いなピンクのコートを羽織っているが、所々泥や砂埃で汚れてしまった。
「最悪」
小さく悪態を吐くと、肘あたりに付いた砂埃を払った。
「何してるんだ」
不意に話しかけられ、振り向くと、ガタガタ震えているグリーンさんが偉そうに立っていた。
「あ、グリーンさん。これからレッドさんに会いに」
そう言うとグリーンさんは眉を寄せ、こんな朝早くに暇人め。と、見下すように言った。
私は少しイラッときたので、悴んで感覚が麻痺した手のひらでグリーンさんの頬に触れた。
「つ、冷たっ!バカじゃねーの!」
オーバーにリアクションするグリーンさんを指差しゲラゲラと笑っていると、雪玉が肩をかすめた。
次は外さねーと、雪玉をせっせと作るグリーンさんめがけて大きめな雪玉を投げた。
まるで子供のように
(この人、本当に年上かな?)
「…………こんな朝早くに何してるの」
「「レッド(さん)!バトルしよう!」」
「………雪合戦はお断りだよ」