「玲央ちゃんは好きな子いるの?」
好きな人の話は、よくある女子の話題の1つ。
ただ、私の話し相手の玲央ちゃんは生粋の男の子だ。玲央ちゃんは目を輝かせて、唇に人差し指を当てて思案していた。
「征ちゃん!」
「バスケ部の後輩だよね」
「違うわよ!征ちゃんはキャプテンよ!」
「へ、へぇ…」
玲央ちゃんに真顔で窘められ、如何に征ちゃんは素敵な人間かを説かれた。ま、私の征ちゃんのイメージはチートで目が怖いなんだけどね。昨日、征ちゃんが褒めてくれたのと、嬉しそうに話す玲央ちゃんを見て、私の思っていることを言ったら怒られるので言葉を飲み込むことにした。
「なまえちゃんはいないの?気になる人」
「一応、いるよ」
そう答えると、玲央ちゃんは「あら、まぁ」と、まるで自分のことのように喜んでいた。
「ねえ、誰?私の知ってる人?」
「秘密だよー」
「ええー、教えてよ。誰にも言わないから」
「秘密だよ」
そんな可愛く唇を尖らせても、玲央ちゃんには教えられない。だって、私が好きなのは。
ガールズトーク・ハートブロークン
(あなただから)