森山「こうすれば一発だぞ」

部室で今日の日誌を書いていたら、自主練中の黄瀬がやって来た。黄瀬の顔面にタオルを投げると、「ひどいッスー」と呟くけど、顔面で受け取ったタオルで汗だくの首筋や顔を拭っていった。

「ああ、これから撮影だっけ」

今日の練習メニューが書いてあるホワイトボードを見ると「モデル様/撮影のため18時早退」と、書いてあった。

「はいっス。再来月発売の雑誌の撮影ッス!」

久しぶりの表紙ッスー!と騒ぐ黄瀬にスポドリを渡した。この無邪気にスポドリを飲む黄瀬は、海常バスケ部エース以外にモデルとして活躍している。

「最近撮影多いね」

「そうなんっスよ!インターハイで仕事入れなかったのでそのツケっス」

へらへらと笑うが、ウィンターカップに向けてのハードな練習にモデルの仕事をこなす日々に少し疲れているように感じた。

「ねぇ、黄瀬。明日はモデルの仕事ないよね」

「久しぶりのオフっス!なので部活ぐふ…」

黄瀬の両頬を両手で挟むと、端麗な容姿が崩れる。それが面白くてつい吹き出してしまった。

「しぇんぱいひどいれふ」

「ああ、ごめん」

黄瀬の頬を両手でグルグル回す。あーちきしょう、私より肌がスベスベとか信じらんない。一通り黄瀬の肌を堪能すると、黄瀬の頬から手を離した。「なんっスか!?」とキャンキャン騒ぐ黄瀬に私は口を開いた。

「黄瀬、明日はあんた休みね」

「えぇ!?」

「笠松と相談したんだけど、ここ最近部活と仕事で大変そうだったから黄瀬を休ませようってなったの」

いや、でもと言い返そうとする黄瀬に対して、もし黄瀬がごねたらこうしろ!と森山に教えてもらった必殺技を使いことにした。

「私と…お茶しませんか」

首を傾げて上目使いで黄瀬を見つめた。恥ずかしくて頬が熱い。これのどこが必殺技なのか理解できない。でもつい咄嗟にやってしまった。驚きで目を見開く黄瀬を見て、私は今すごく後悔してる。
ああ、本当に恥ずかしい!でも、なんでそんなに顔が真っ赤なの黄瀬!

「なまえセンパイ…ズルイっス。そんな風に誘われたら断れないっス」

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -