エース様に足を舐められる

「ねぇ…緑間…やめて」

私の足下に、まるで王子様のように跪く緑間は上目遣いで私を見つめるが、答えは返ってこない。それは、彼は私の右足の親指を口に含んでいるからだ。じゅぶじゅぶとワザとらしく音をたてて足の指を舐める姿は、女の人が男の人にする愛撫に似ている。緑間は親指から口を離すと、熱くねっとりとした舌を指先を絡めた。

「み、緑間っ。いい加減にして」

緑間の頭を掴んで離そうとするけど、緑間の舌は相変わらず私の足の指を絡めていた。眼鏡のレンズ越しに翡翠の双眸が私を捕らえた。

「なんだ、足りないのか」

緑間はそう言うと、掴んでいた足首を少し上げると、足の裏を舐め始めた。私は、頭を横に振って否定するが、身体の芯が痺れるようなおかしな感覚に身を捩らせた。

「違うって」

「違うってここか?」

「場所じゃない!足を舐めるのやめて」

緑間は踵にぬるりと舌を這わた。こいつ…まったくやめる気がない。 踵から土踏まずまで緑間の舌が這っていく。くすぐったい感覚とは違った恍惚とした感覚。
これは、おかしくなってしまう。

「みど…り」

ぼんやりとした意識のなかで緑間が私の足の甲にキスをして、あやしく笑っていた。

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テーマ「人外ファンタジー」
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