第5話 巡り合う空と星 テレビ局の前で、時田さんが待っているから。 青山さんに教えてもらった通りに向かうと、そこには一服をする時田さんがいた。 「よう。着いたか」 私に気づき、フーっと煙を吐き出す。 「本当にいいんですか?私も入って」 「構わねぇよ。そんな大層な事じゃねぇしな」 あんなに頑なにダメだって言ってたのに、今度は大層なことじゃないなんて言ってる。こういう時の時田さんは、いまいち掴みきれない。ちなみに彼だけは、感情の音も聞こえにくくなる性質があるから、とりわけ本音が分かりにくい人でもあった。 「青山からちゃんと注意事項を聞いたか?」 「バッチリです」 「本当かよ」 「私は時田さんの姪で、将来の夢は音楽プロデューサーになること。今日は番組制作と、その裏方の勉強の為に同行している、って設定ですよね」 「万が一本名を聞かれた時はしょうがねぇ。ただし昴だってことは名乗るなよ」 「もちろんです!」 名前を聞かれたら本名で答えろ、と言われたのも意外だった。最初は偽名も考えたそうだけど、いつか私がボロを出しそうだから、そこは致し方なく了承したそうだ。 「一緒に仕事がしたくなったアーティストでもいたら俺に言え。口利いてやるから」 「わぁ、何だか本当にプロデューサーっぽい」 「そこそこ有名なんだぞ俺は」 「分かってますよ。そこそこどころじゃないですから」 時田さんからポイっとICカードを渡される。どうやらこれで局内へと入れるようだ。 「行くぞほら」 「ふう……何だか凄く緊張してきました……」 時田さんの背中を小走りで追って、私は番組が収録されている現場へと向かった。 収録現場に着くまでの間、時田さんが次から次へと声をかけられていく。声をかけるのはアーティスト、同業者、番組スタッフなど様々だ。 「時田さん、お隣のお嬢さんは?」 「俺の姪だ」 「初めまして」 緊張気味に頭を下げる。違うレコード会社のお偉いさんらしい。 「珍しくこんな可愛らしい子を連れているから、デビューを控えた新人さんかと思ったよ」 「悪いがこいつは裏方志望なんだ」 「へぇ、じゃあ時田さんの後継者ってことか。頑張ってね」 「はい……っ」 ヒラヒラと手を振りながら男性は去っていく。もう一度深く頭を下げると、何故か時田さんに小突かれた。 「緊張しすぎだ」 「だって偉い人だって言ってたし……」 「小せぇ会社のな。あいつがお前の正体を知ったらひっくり返るぞ。そんで吐き気がするほど媚を売ってくるに違いねぇ」 媚びる理由は一つ。 「“お前はドル箱だからな”、ですよね」 飽きるくらい聞いた時田さんの口癖を、嫌味たらしく言ってやった。 「分かってるじゃねぇか」 「今時ドル箱だなんて死語ですよ」 「ガキがうるせぇぞ」 「あ、でも私さっき可愛いって言われました!」 「だから最初に言ったじゃねぇか。お前は顔も良いんだから、シンガーソングライターとしてデビューしろって」 「うそ。あれ本気だったんですか?」 いつものからかい癖だと思ってた。いつになく本気の声色で言うものだから、驚きを隠せない。 「でも私に表舞台は性に合いませんよ」 「まぁ今となっちゃ、そこに関しては同意見だ」 そんな会話を続けながら廊下を過ぎると、私達の前にとてもきらびやかなスタジオが現れた。慌ただしく動くスタッフ達の合間をぬって、スタジオの隅に移動する。 「ここで大人しく見てろ」 そう言うと時田さんは私を置いて、どこかへ行ってしまった。仕事をする時はいつも青山さんがいるから、こうして一人ポツンと残されると何だか変な感じ。 ちなみに今日青山さんがいない理由は 『俺の姪って設定なのに、マネージャーが付いてたら話がおかしいだろ』 ということらしい。 青山さんは最後の最後まで一緒に行くと、食い下がっていたけれど。 「もうすぐ本番始まりまーす!お願いしまーす!」 スタッフの掛け声と共に、続々とアーティスト達がスタジオに入ってきた。誰でも知ってる有名なグループから、新人アーティストまで、さすがSP番組と言えるラインナップだ。 「凄い……たくさんの音が鳴ってる」 聞こえるのは歌声ばかりじゃない。彼等から私にしか聞こえない音も、たくさん聞こえてくる。 音の渦の中にいるのが、こんなにも楽しいなんて。 音楽達が体中に響いてくる。こんな世界があるんだ……。 アーティストがトークを繰り広げ、歌を披露する。それがこの番組の基本だ。中には私が提供した曲を歌う歌手もいた。 「やっぱり生で聞くと全然違うなぁ……!」 私の作った曲が、こんな風にテレビを通して届けられるんだ。番組を作るためにこんなに大勢のスタッフがいるんだ。制作スタジオとは臨場感が全く違う。これがライブやコンサートとなればどうなるのだろう。きっともっと凄い世界が待っていると考えたら、好奇心は膨らむ一方だった。 見るもの全てに刺激を受ける中、スタジオの端からある声が聞こえた。 「TRIGGERの皆さん入ります!」 「よろしくお願いします!」 一瞬で心臓が大きく跳ね上がった。 今、TRIGGERって言った……! 少し背伸びをして覗くと、スタッフの隙間から三人の姿が見えた。遠目からでもオーラがあるのが分かる。テレビや映像作品で見るのとはまた違う。 間違いなく本物のTRIGGERだった。 「おう、待たせたな。ちょうどTRIGGERの番か」 「はい、凄く楽しみです」 「生で聞くのは初めてだったな。あいつらには存分に期待していいぞ」 時田さんが褒めるなんて珍しい。トークが終わり、TRIGGERが歌の準備に入る。私はその様子を固唾を呑んで見守っていた。 ゆっくりとイントロが流れる。リズムに乗ったダンスが始まる。そして最初の歌声が響いた瞬間。私はこれまで一度も味わったことのない、唯一無二の音色に包まれたのだった。 「これが、TRIGGER……!」 そしてこれが一番聞きたかった九条天の声。 世間から天使だと形容されるその姿に嘘はない。完璧で洗練されたアイドル。誰をも魅了する表現力。そしてこの歌声。 このままずっと聞いていたい。誰かに対して、初めてそう思った。 「やっぱり凄く綺麗……」 同時にあの日の彼は、目の前の彼なのだと確信した瞬間でもあった。 頭の中でメロディーが鳴り出す。私の中で新しい音楽が、また一つ生まれようとしている。引き金となったのは、TRIGGERの歌声だった。 「時田さん。TRIGGERの二曲目ですが、一から作り直させて下さい」 「良い曲が降りてきたか?」 「はい。一週間……いえ、三日で仕上げてきます」 「その意気込みだとかなり期待出来そうだな」 グシャっと無造作に頭を撫でられた。 「やっぱりお前を連れてきて正解だった」 「どうしてですか?」 「お前はこれからもっと化けるからだ」 言ってる意味は分からなかったけれど、ご機嫌そうな時田さんを見て何だかほっとした。我儘を言ってここに来たことに、やっぱりどこかで気が引けていたからだ。 二人して気分も良くなったところで、TRIGGERの曲が終わりを迎える。 「TRIGGERの皆さんでしたー!ありがとうございました!」 私もめいいっぱい大きな拍手を送った。 「お疲れ様!今日も良かったわよ!」 「楽しかったな」 「ああ」 あの人はTRIGGERのマネージャーだろうか。とても嬉しそうにTRIGGERを出迎えている。彼等の出演はこれでお終いなのだろう。そのまま楽屋へと去っていく彼等を見送る。 はずだったのに。 誰かがこちらに向かって歩いてくるのが見えた。 誰だろう。何だかこっちに近づいてるような……。 え、待って。あれってもしかして。 TRIGGERのセンター九条天、本人──。 「お久しぶりです時田さん。いらしてたんですね」 「おう、天。元気か?」 まさに先ほどまで歌っていた、九条天が私達の目の前に立っている。白い肌、濡れた瞳、しなやかな手足。映像で見るよりも何倍も美しく整った彼は、正に天使そのものだった。 「今日も良かったぞ。TRIGGER」 「ありがとうございます。時田さんにそう言って頂けて光栄です」 その九条さんが時田さんを敬ってるなんて、正直受け入れ難い光景すぎる。 「……そちらの方は?」 不意に九条さんと目が合って、再び心臓が跳ねた。 「俺の姪だ。よろしくしてやってくれ」 「よ、よろしくどうぞ!」 「TRIGGERの九条天です。こちらこそよろしく」 今はっきりと分かった。私、この声に弱いんだ。あまりにも綺麗で身を委ねたくなってしまうそれは、とても甘い麻薬のようにさえ思えた。 「時田さん、時田さん!」 ふとスタッフの一人から、時田さんを呼ぶ声が聞こえてきた。スタッフが手招きする方向を見ると、時田さんはニヤリと笑った。 「お、あいつ。やっといやがったか」 「あいつって?」 「林だよ」 この音楽番組のプロデューサーである林さん。この人も業界内で有名な人であり、時田さんとは旧知の仲らしい。 「ちょっと林のところに行ってくるから、ここで待ってろ」 え、待って。私も一緒に行くんじゃないの? だって今ここに私だけ残ったら、九条さんと二人になっちゃう……! 「ちょっと……!待……っ」 呼びかける声も虚しく、私はまたスタジオの隅に取り残されてしまった。 と、とりあえず……深呼吸。 二人きりになったからって、何も焦る必要はない。落ち着け落ち着け。九条さんだって時田さんがいなくなれば、もう楽屋に戻るだろうし……。 「ねぇ」 と思った矢先、九条さんから声をかけられて、今度は心臓だけでなく体も跳ねた。 「は、はい……!」 「キミは時田さんの姪、なの?」 「はい、そうです……!私も伯父さんみたいに音楽の仕事に携わりたくて、それで今日は勉強も兼ねて、見学に、来ました……」 「へぇ。そう」 しどろもどろすぎる。不自然すぎる。挙動不審すぎる。 なのに九条さんは楽屋に帰らないどころか、いつの間にか隣にいる。これは一体どうするのが正解なのか。答えが見つからないままパニックに陥っていく。 とりあえず何か話題を考えないと。話題話題話題……! 「あ、あの。先ほど収録なさってるところを見学させて頂いたんですが、TRIGGER凄くカッコ良かったです……!」 「それはどうもありがとう」 笑うと更に魅力的な人だ。女の子達が熱狂する理由がよーく分かる。 「もうすぐアルバムも出す予定だよ」 「そうなんですね。それは凄く楽しみです」 知ってるけど自然に自然に。とにかくリラックスリラックス。 「僕達もリリースするのを楽しみにしてる」 「TRIGGERの皆さんのことですから、きっとまた素晴らしいアルバムになること間違いなしでしょうね」 「だといいんだけど。それで、二曲目はもう出来たの?」 「ああ、それがその件なんですけど、一から作り直すことに決めたので、もう少しお待ち頂ければ──」 しまった──。 そこまで言いかけて口を塞いでももう遅い。リラックスしすぎた自分を殴りたい。苦笑いを浮かべる私を、もちろん九条さんは逃してはくれなかった。 「い、今のは違うんです……っ」 「何が違うの?」 「だから、その」 「キミが時田さんの姪だってこと?それともあの日ボクとぶつかって、楽譜を落とした子がキミだってこと?もしくはキミの正体が昴だってこと……?」 一気に血の気が引いた。隠す必要なんてどこにもなかった。彼は最初から気づいていたのだ。あの日のことも、私の正体も。 どうしよう。どう誤魔化したらいいだろう。 「何の、話……ですか?」 視線を逸らしながら震えた声で言ったところで、誤魔化しきれるはずがない。バレたとなったらどうなるのかを考えると、九条さんにこれ以上追求されるのが怖い。 私は震える指先をぐっと握った。 「そう。じゃあボクの勘違いか……」 え……? もっと追求されると思っていたから、予想外の反応に驚いて顔を上げる。再び九条さんと目が合うと、微かに音が聞こえた。 勘違いだなんて嘘だ。私には分かる。この音は嘘をついている時の音だから。 「勘違いついでに聞いてほしいんだけど」 「……は、はい」 「新しいアルバムに宅配ピザって曲があって、ボクの一番のお気に入りなんだ。凄く良い曲だから、発売したらぜひ聞いてみて。それじゃあ時田さんによろしく」 あの曲の仮タイトルが宅配ピザだって知ってるのは、制作スタジオにいた皆と、楽譜を拾ってくれた彼だけ。だから今のはきっと、九条さんからのメッセージ。あの日私の楽譜を拾ってくれたのは自分だと、遠回しに言っている。 九条さんは私が昴だということを察しても、これ以上触れないようにしてくれたんだ。 それなのに私の曲を褒めてくれた……。 褒めてくれたことも嘘じゃない。本心だと彼の音色が教えてくれる。本当のことを話したい。そしてもっと九条さんと話したい。 きっと私は彼と出逢ったあの瞬間に、彼の優しくて綺麗な音色に捕えられてしまっていたんだ。 「あ、の……!」 振り返り立ち去ろうとする、九条さんの服の裾をギュッと掴んだ。 「……この間は楽譜を拾って下さって、ありがとうございました」 体が熱い。全身から汗が吹き出そうだ。 「それから……私の曲を気に入って下さって、ありがとうございます」 初めて自分から正体を明かしてしまった。恐る恐る九条さんを見上げる。すると九条さんはふわりと柔らかな笑顔見せてくれた。それは先ほどまでの収録中の笑顔とは違う、より温かみがある笑顔のように感じられた。 「良かった。ボクの勘違いじゃなくて」 「あ……でも一つだけ本当に違うことが」 「なに?」 「時田さんの姪ではないです……」 耳を寄せる九条さんに小声で言うと、なぜか九条さんは小さく笑った。 「スタジオに入ってキミを見つけた時は、正直凄く驚いた」 「よく私があの時ぶつかった相手だって分かりましたね……?」 「あの日は色々と強烈だったからね」 覚えててくれたことは正直嬉しかったけれど、強烈だと言われたことは、良い意味なのか悪い意味なのか。 「聞きたかったんだけど、仮タイトルの宅配ピザってなに?」 「……えっと私、宅配ピザが大好きなんですけど、新商品の宅配ピザを食べたらそれがまた凄く美味しくて……そしたらあの曲が浮かんだんです」 九条さんがクスクスと笑っている。その様子に私は何故か恥ずかしい気持ちになってしまった。 「なるほどね。だからNEWって書いてあったんだ」 絶対に食い意地の張った子だと思われたに違いない。こんなことなら、もっとちゃんとした仮タイトルにすれば良かった……。 「それで。頑なに素性を明かさなかったキミが、どうしてこんなところにいるの?」 「それは──」 自分の素性をこれ以上話していいのだろうか。隣に視線を向けると九条さんと目が合った。その目を見ていると躊躇いは消え去っていく。 「私……今までずっと、小さな部屋で曲を作って、レコーディングをして、って生活だけを繰り返してきたんです」 そして九条さんも黙って私の話を聞き続けてくれた。 「音楽家だなんて言いながら、実際こういう場所で生の歌声や音に触れたことは、ほとんどないんですよ」 音が生まれない苦しみも、もっとたくさんの音楽に触れたい欲求も、今まで少なからずはあった。でもそれを大きくしたのはTRIGGERの存在。そして九条さんに出逢ったことが、最大の要因だった。 「もうそろそろこういうところに私も行きたいって、子供みたいに駄々こねてやっと連れてきてもらえたんです。でも、我儘を言って大正解でした」 「大正解?」 「さっきTRIGGERの歌を聞いてから、どんどんメロディーが浮かんで止まらないんです」 「それはボク達のパフォーマンスに触発されたってこと?」 「はい!こんな感覚は初めてです」 曲が出来ないと嘆いていた自分が嘘みたい。鳴り止まないメロディーを早く形にしたい。今はもうそればかり考えていた。 「こんな風に思わせて下さったTRIGGERに楽曲提供出来ることを、とても光栄に思います」 時田さんにも三日で仕上げるって言ったことだし、帰ったらすくに取り掛かろう。私の誇りにかけて、TRIGGERの三人に恥じない曲を作らなきゃ。 「こちらこそ、キミのような素晴らしい音楽家に楽曲提供してもらえて、とても光栄に思ってる」 これもまた嘘じゃない。本当の気持ちの音色がした。その言葉が何よりも嬉しくて、何故だか涙が出そうになってしまった。 今までどれだけ楽曲制作をしても、それを歌ってくれるアーティストと接触したことは一度もなかった。時田さん達に褒められたり、世間の評価を聞いたりする時とも違う。 想いを直接聞けるって、こんなにも嬉しいものなんだ。 九条さんには迷惑だったかもしれないけど、あの日出逢ったのが九条さんで良かった。 「あ、そうだ。あの日のお礼がまだでした……!」 「そういえばそんなことも言ってたね」 「クリーニング代もまだ払っていませんし……」 「その前に一つ忠告させて」 「忠告ですか?」 「見ず知らずの男に番号を教えるなんて軽率な行動をして、何かあったらどうするつもり?」 確かに九条さんの言うことは最もだ。青山さんあたりにこの事実を知られたら、きっと大説教をくらうに違いない。見ず知らずの女に番号を渡されたとなれば、九条さんも迷惑だし警戒するに決まってる。しかも相手が芸能人である九条さんとなれば、何とも失礼極まりない行為だったとも思う。 「確かに九条さんの言うとおりですね。あまりにも軽率な行動でした。大変失礼致しました。メモもとっくに捨ててるとは思うんですけど……」 「……捨ててる訳ないでしょ」 「え?」 上手く聞き取れず、聞き返そうとした瞬間。 「天ー!」 九条さんを呼ぶ声がして、私達の会話はそこで終わりを迎えた。 壁にもたれていた九条さんが、スッと体を起こし前に出る。その背中を見送ろうとすると、振り向いた九条さんと再び視線がぶつかった。 「続きは電話で。またね、苗字 名前さん」 最後にそう言い残して、九条さんは去っていった。 い、今のって。聞き間違いじゃなければ、確かに電話するって言ってた……それに私のこと、名前で呼んだ……? 本名と電話番号。どちらもメモに書いて渡したのは私の方だ。なのにいざ九条さんから名前を呼ばれて、そのうえ電話が来るかもって考えると──。 「無理無理!冷静に考えて無理……!」 考えれば考えるほど、頭の中がぐちゃぐちゃになってきた。何かが今にもパンクしそうだ。そうだ。こんな時こそ音楽に没頭するに限る。 「悪い悪い。待たせたな」 「時田さん……!」 「あれ、天はもう帰ったのか?」 「時田さん、私ももう帰ります。一刻も早く曲にしてしまわないと、何か色々と爆発しそうな気がするので……!」 「あ?爆発?どういう意味だそりゃ」 「とにかくメロディーが湧いて、頭がいっぱいなので帰ります!」 「……よく分からねぇが、最高に良い曲を期待していいってことか?」 もちろん。最高に良い曲をTRIGGERにお届けします。 そう胸に誓いながら、私は青山さんに迎えの電話をかけたのだった。 [ back ] |