第13話 キミに会いたい


Re:valeと過ごした華やかな一夜から時は過ぎ、私の生活はまたいつもの引きこもり生活へと戻っていた。
ピザの空き箱と機材に囲まれた私のお城。
誰にも会わずひたすら音楽を作り続ける毎日。
私の一番幸せな時間。

「……はぁ」

そのはずなのに出るのは溜息ばかりだ。
溜息と共に思い出す。
あの日Re:valeの後ろでピアノを演奏した時の楽しさや高揚感は、今まで味わったことのないものだった。純粋に音楽が楽しくて楽しくて、とても貴重な経験だったと思う。

千さんと百さんにも久々に会えたことも嬉しかった。
相変わらず兄のように優しい二人と過ごす時間は、私にとってかけがえのない時間だ。
セレブなピザパーティーだから全種類頼もう、と言う百さんを止めるのは大変だった。
かなりワインを飲んでいたから酔っていたのだろう。
結局頼んだピザは私だけが頬張り続けた。
千さんはその量に引いたのか、ピザが吸い込まれていく……と何度も驚いていた。

楽しい思い出ばかりが蘇るはずなのに、忘れられないことが一つだけある。
TRIGGERがRe:valeの楽屋出る際、最後にもう一度天くんと目が合った。
でも彼の表情はどこか冷たく、まるで私を無視するかのように去っていってしまった。
勘違いではないと思う。

初めて天くんから冷たい音がしたから。

「はぁ……何か気に触るようなことしたかな……。それとも何か言ったかな……」

思い返しては落ち込むばかり。
もちろん天くんとはあれ以来会ってもいないし、連絡を取ってもいない。携帯を眺めては何度目かもわからない溜息が再び出る。

「自分が嫌になる……」

本当はそれが私が一番落ち込んでる理由だった。
天くんと仲良くなった気になって、浮かれていた自分自身に一番嫌気がさしていた。
相手はトップアイドルTRIGGERなのに、立場もわきまえずに厚かましいことこの上ない。
裏方は裏方らしくしていればいい。
そう言い聞かせて、何度電話帳を開いては閉じる。

きっと迷惑だよ。
止めた方がいい。
もっと嫌われるかも。

自分の理性は正常に働いてる。
はずなのに、心はそうはいかない。
まるで鍵盤を弾く時のように、指が勝手に動いていく。

こんにちは……?
それとも、今何してますか……?

稚拙な文章をあれこれ考えて。

「お仕事中……ですか?…………っと」

結局私は自分の浅はかさを省みず、天くんにラビチャを送った。

そのまましばらく彼からの返信を待つ。
一向に既読マークはつかない。
当たり前だ。彼はTRIGGERの九条天。忙しくない訳がない。
もう一度大きな溜息をついて、眺めていた携帯をテーブルの上に置く。そしてソファの上にゴロンと寝転んだ。
その矢先だった。
ピロンと携帯が通知音を鳴らした。その音に飛び起きて咄嗟に画面をスライドさせる。

“久しぶり。今は仕事中だけど”

天くんからだった。
返信が来たことによる嬉しさと、当たり前のことを返信させてしまった考えのなさへの後悔が、相反してぐるぐる巡る。

“ですよね……!お忙しいところお邪魔してすみません”
“今ちょうど休憩中だから邪魔にはなってないけど、何か用?”

忙しいところに連絡して何の用もありませんでした、なんて打てるはずがない。
何か私に怒っていませんか?
それとも気に障るようなことをしましたか?
あの時私は天くんに無視されたような気がして、凄く悲しかったんです……。
伝えられない気持ちはたくさんあった。

“用はないけど連絡してきたの?”

追い打ちをかけるように天くんからのメッセージが続く。どう返信するのが正解なのか。

“もしかしてボクに会えなくて寂しかったとか?”
“はい”

上手な嘘も駆け引きも全く思いつかなくて、気持ちのままたった二文字だけの返信をしてしまった。
既読がついてからしばらく音沙汰がないことに、携帯を握る手に汗が滲む。

「……ど、どうしよう。間違ったかも……わぁ!」

握りしめたスマホから突如着信音が鳴り響いた。
ディスプレイに表示された名前を見て、私は深呼吸を一つした。

「はい……苗字です」
『九条です。お疲れ様』

久々に聞く天くんの声に、心臓がうるさいくらい音を立てている。

『苗字さんは?仕事中?』
「そう、ですね……曲作りをしてました」

瞬間、胸がぎゅっと締め付けられた。
あの日までは確かに名前って呼んでくれていたのに、今はまた呼び名が苗字さんに戻っていたから。

「あ、あのお仕事中にお邪魔してすみませんでした。特に用があった訳じゃないので、これで失礼しますね……っ」
『用がなかったの?へぇ。じゃあさっきのは嘘?』
「さっきのって」
『ボクに会えなくて寂しかったんじゃないの?』
「そ、それは」

『……ボクはキミに会いたかったけど』

今、何て……?

思わず言葉を失ってしまった。そして次第に顔が熱くなっていく。
まさか、きっと社交辞令に決まってる。そうじゃなきゃ……でも。あまりにも真っ直ぐな音だから。

『確か、楽譜を拾ったお礼をまだしてもらってなかったよね』

その声色は変わることなく私に問いかけた。

『キミの仕事場が見たい』

それは私の作業部屋――つまり今まさしく私がいるここに来たいと。
天くんがここに……!?

『遊びに来いって誘ったのはキミの方でしょう』
「そ、そうでしたね。確かにそう言いました」
『何?それも嘘?』
「違います……!嘘なんかじゃありません!いつ来てもらっても構いませんよ?何なら今日でも!」

嘘だと疑われまくし立てるように言い返してしまった。黙り込む天くんに私は再び慌てふためく。
また何も考えなしに私は──。

『じゃあお言葉に甘えて今夜お邪魔するよ』

今夜って今夜って、今夜?今夜──!?

『キミの家ってどのあたりなの?』
「はいっ、えっと、初めてお会いした場所のすぐ近くです」
『あのへんか。じゃあこの仕事が終わった後だから、三時間後くらいの予定で。詳しい住所はラビチャにお願いします』
「分、かり……ました」
『じゃあまた後で』

また後でと言った天くんの言葉が響いて耳まで熱い。
本当の本当にここに天くんが……?
本当に来るのならこうしちゃいられない!
積み上がったピザの箱、散らばった楽譜に書類、その他諸々片付けきれていない目の前の物達に私は青ざめた。

「どうしよう……!掃除しなきゃ!今夜来るってことは夕飯はどうするんだろ……?引きこもってたから冷蔵庫の中ほとんどない……!じゃあ先に買い物行って……ああ!駄目だ、掃除!」

こうして私は大慌てで客人を迎える準備をすることとなった。
混乱はしていたしどことなく冷たい天くんに傷ついていたけれど、心のどこかではワクワクしていたのも事実だった。





三時間よりも少し早く、ボクは指定されたマンションに辿り着いた。
あらかじめラビチャで教えてもらっていた部屋番号を入力すると、呼び出し音と共に彼女の声が聞こえた。

『今、開けます』

オートロックが開かれエレベーターに乗り込む。
都会の一等地にそびえ立つマンション。何重にもなったセキュリティ。
こんなところにわずか18歳の少女が一人で住んでるとは、誰も思ってもみないだろう。
その正体が昴などとなれば尚更。

「こんばんは」
「こ、こんばんは。どうぞ」

どことなく緊張した様子の名前がボクを迎え入れてくれた。まずはシンプルなインテリアで統一されたリビングへと通される。

「大したおもてなしも出来ないし狭い家ですけど、ゆっくりしていって下さいね」
「狭いって言うには謙遜しすぎなマンションだけど」
「違うんです……!私はこんなに立派なところじゃなくていいんですけど、時田さんがここじゃないと駄目だって絶対譲ってくれなくて……」

なるほど。名前を取り巻く過保護っぷりを考えると納得出来る。
確かにここなら住人もそれなりの人に限られるだろうし、昴が表沙汰になるようなリスクも減らせる。

「では早速作業部屋にご案内しますね。こちらです」

仕事部屋を見たいと言ったボクを、すぐに名前は案内してくれた。
通された防音室にはあらゆる楽器や機材がずらりと並んでいた。
その中でもひときわ存在感があったのは、彼女が先日の音楽番組でも触れていたグランドピアノだ。

「へぇ……ここがキミのお城」
「何だかまじまじと見られるのは照れますね」
「ここにある楽器は全部弾けるの?」
「一応ってくらいで、プロの方に比べたら全然」

彼女が城と呼ぶここは、音楽家としての彼女の全てが詰まっているような、そんな場所だった。
もちろん音楽に携わる者としても、とても心が躍る場所だ。

「あ、それはさっきまで作っていた曲の資料です」

ボクが目に留めた物を手に取り、名前は声を弾ませながら説明してみせた。

「まだ骨組みの段階みたいなものなんですけど、今日凄く良いフレーズが思いつきまして……そうだ!今からピアノで弾いてみるので、ぜひ九条さんに聞いてもらいたいです」

九条さん──そう呼ぶ彼女の目を無言でじっと見つめる。
何故だろう。彼女は間違ってはいないのに、何だかそう呼ばれるのは面白くない。

「あの、私、また何か失礼なことでも……」
「違う。名前。九条さんにまた戻ってる」
「あ……でも、その……九条さんが」
「ボクが何?」
「九条さんも苗字さんに戻っていたので……」

ぎゅっと唇を噛む名前を見て、ボクはすぐに自分がしたことを反省した。
名前を名前で呼ばなくなったのは、ボクの些細な嫉妬が原因だったからだ。
あの日Re:valeと楽しそうに微笑むキミを見ていられなかった。九条天として完璧でいなきゃいけないこのボクがだ。
だから気持ちにすぐに蓋をした。出逢った頃に戻そうなんて無駄な抵抗をしたんだ。

その代償に味わったことのない渇きがボクを襲った。
キミの音に触れたい。キミに会いたい。キミの笑顔が見たい。その気持ちは蓋をした反動でより強くなってしまった。
名前からラビチャが来たとき、本当はもの凄く嬉しかった。
キミのことだ。顔色どころか声色一つで人の機嫌を伺うことも出来るだろう。だからこそ名前は人一倍気遣いをする。今だってそうだ。

「そうだね……全部ボクが悪い」
「え……?」
「ボクが子供なあまりに、キミに気を遣わせすぎちゃったってことだから」
「そんな、天くんは子供なんかじゃ──っと、すみません……っ」
「いいよ。今まで通り名前で呼んで」

キミには今どんな音色が聞こえるだろう。
楽屋でキミを避けてしまった時も、今この瞬間さえも、ボクの感情はキミに届いてしまっているのだろうか。

「名前」

気がつけばボクは自然にその名を口にしていた。

「は、はい」
「この前の生放送の時のピアノ、凄く綺麗だったよ」
「はい……ありがとうございます」
「それから着飾ったキミも」

そう付け加えると名前はその場で固まったまま動かなくなってしまった。
どうしたのかと顔を覗き込み、今度は耳に顔を寄せてもう一度名を呼ぶ。

「名前?どうかした?」

今度は名前の耳がみるみるうちに赤くなり、やがてそれは顔全体を真っ赤に染めた。
どうしよう。可愛い。
可愛くてもっと苛めたくなる。
ならもう一度。
今度は指先を耳元に滑らせて囁いてみた。

「ねえ、黙ってちゃ──」
「は、はいっ!私、ピアノ弾きますね!ガッとバッと弾きます!ええ!」

残念。逃げられちゃった。
名前の可愛い反応に思わずクスクス笑ってしまった。
けれどピアノの前に座れば、先ほどまでの名前の姿はすぐに見られなくなる。
番組の生放送の時も思ったけれど、ボクは名前が音楽に触れている時の凛とした表情が好きだ。

「では弾きますね」

名前の指が鍵盤を走る。紡がれる音にボクは驚きを隠せなかった。
既存の曲には感じたことのない音がする。
彼女の新たな世界観を感じさせるそれは、以前より更に洗練された美しさがあった。
もっと聞いていたい。この曲を歌ってみたい。色んな感情がボクの中に生まれ始めたところで、不意に音は止んでしまった。

「……という感じで、とりあえずここまで作ってみたんですけど」

鍵盤から指を離すと、名前の笑顔は年相応のそれに戻っていた。

「まだ完成していないとはいえ、これだけでも素晴らしい曲だって分かるよ」
「本当ですか!?」
「この曲を提供してもらえるアーティストは幸せだと思う」
「これはIDOLiSH7というグループに提供する楽曲なんです」
「IDOLiSH7……?」

その名前を聞いて動揺した。

「最近デビューしたアイドルグループみたいなんですけど、私もまだ直接会ったことはなくて。天くんはご存じですか?」
「まぁ……少しだけなら」

少しどころかよく知っている。
IDOLiSH7。ボクの双子の弟、陸がセンターを務めるアイドルグループ。
ならこの曲は陸が歌うってこと──?

「もしかして、IDOLiSH7さんとはよく知った間柄なんですか……?差し出がましいようですが、天くんの音が──」


ギュルルルルー……。

間違いじゃなければ今のは名前のお腹から聞こえた気がする。
ボクにしてみればその音にとても救われた。彼女にあまり嘘は通用しない。けれど陸のことは今はまだ。

「す、すみません!大変お見苦しい音をお聞かせしてしまいました……っ!」
「気にしてないよ。ふふっ。でもやっぱり名前って面白いね」
「面白いじゃなくて呆れるの間違いですよね……?」
「名前も夕ご飯はまだなの?」
「夕ご飯……あーーっ!」

掃除に追われて買い出しをすっかり忘れてた……と、名前の顔が青ざめていく。

「キミのご飯と言えばピザじゃないの?」
「今週のピザは指定した時間に毎日届くようになってるんで大丈夫なんですけど……まさか天くんに宅配ピザを出す訳には……!」

毎日決まった時間ってどんだけピザ好きなの。
ピザ箱に埋もれてるって言ってた百さんの言葉は、あなかち嘘じゃなさそうだ。

「さすがに卵とケチャップくらいはあるよね?」
「はい。でも」
「ならボクが作るよ」

そう言うと、彼女の目は大きく見開かれた。


キッチンを借りていつもの要領で料理を進めていく。
彼女はそんなボクの手元を付かず離れずの距離でじっと見つめていた。
うん、我ながら上出来だと思う。綺麗に包まれた卵の上に、ケチャップで鮮やかな線を描く。
そしてボクはランチョンマットが敷かれたダイニングテーブルの上に、即席のオムライスを置いた。

「すっごく美味しそうです!早速頂いてもよろしいですか?」
「どうぞ。召し上がれ」
「では遠慮なく、いただきます」

真ん中から豪快にスプーンで割り、大きく掬い上げたオムライスを名前は口いっぱいに頬張った。

「んん!とっても美味しい!」
「そう?良かった」
「天くんは料理も出来るんですね」
「好物だから作れるだけ」
「オムライスが好物なんですか?それは良いことを聞きました。それじゃあ今度いらした時は、私がオムライスを作りますね」

今度と言われて小さく胸が弾む。
つまりそれはまたここに来てもいいということの証。
オムライスを食べていると、再び陸のことが頭によぎった。陸とこうして向かい合うようにご飯を食べていたのは昔の話。

「名前のご家族は?」

何気ない会話の一つだった。

「両親と兄が一人。でも今はもう皆バラバラです」

そう言って苦笑する名前を見て、考えなしに何気なく聞いたことを後悔した。どことなく影を落としたような表情が、関係性が良好ではないことを物語っていたからだ。

「うちは元々とても不仲な両親で、特にお金のことでよく揉めていました。その分私は兄にとても懐いてて、いつも兄と一緒にいました」

それでも名前は自身の話を、ゆっくりとボクに話してくれた。

「兄も私も唯一うちにあったピアノで遊ぶのが大好きで、私がピアノを弾くと兄はいつも笑って褒めてくれてました。私はそれが嬉しくて楽しくて……何よりも兄と音楽が大好きでした」
「……それがキミの音楽人生の始まり?」
「そんな大層なものじゃありません。本当にただ好き勝手弾いて遊んでただけで……小さい頃から聴覚の方はありましたけど、今みたいにメロディーが湧くようなことはなかったんです」
「じゃあ、いつから……?」
「兄が病死してからです」

それはボクにとって陸を亡くすことに等しいことだと思う。けれど今のボクにはその哀しみを想像することは出来ても、共感することは絶対に出来ない話だった。

「それから私には音楽しか無くなって……でも時田さんに出逢って救われたんです。こうして大好きな音楽の道にも導いてもらいました」
「ご両親は?」
「期待はしてなかったですけど、昴として売れて印税がたくさん入っても不仲のまま。結局離婚しちゃいました。それ以来一度も会ってもいないです」

両親と距離を取ることは、時田さんの意向でもあったそうだ。それからお金に関しても私生活に関しても、全て時田さんが管理しサポートしてるらしい。
あれだけ過保護になる理由がよく分かった。
それから分かったことはもう一つ。
数々の素晴らしいメロディーを生み出し、誰からも称賛される名前は、ここでは一人ぼっちだということ──。

「私、今日は凄く嬉しかったんです」

それでも名前は明るく努め笑顔を向けてくれる。

「この仕事をしてから友達を作ることは許されなかったですし、ここには時田さんか青山さんしか来ないから。だからこうして天くんが来てくれて、今とっても楽しくて」

ボクにキミのような稀有な聴覚があったのなら、キミの奥に眠る哀しみに気づいてあげられただろうか。

ボクは名前の音楽が好きだ。
それと同時に名前自身に惹かれている。
これ以上蓋をすることなんて出来ない。今ボクはキミを抱きしめたくてしょうがない。

「じゃあ二人以外でここに来たのはボクが初めてってこと?」
「はい。そうなりますね」
「そう……それは凄く光栄だね」
「こちらこそこうして仲良くして下さってありがとうございます」

キミの笑顔を守りたい。

「そうだ、天くんもピザ食べます?この新作はかなりオススメですよ。少し冷めちゃったので温めてきますね」

名前が席を立ちキッチンへと向かう。
ボクはそれを追いかけ、鼻歌まじりでレンジに向かう彼女を後ろからそっと抱きしめた。

「て、天くん……っ!?え、と……」
「また遊びに来てもいい?」
「あっ、はい!それは……!まだ見てない機材とかも、たくさんありますしね……っ」
「違う。ボクがキミに会いたいだけ」

みるみるうちに名前が硬直していく。
混乱しているのだと分かっていても、彼女を離したくはなかった。

「オムライス……たくさん練習しておきます」
「ふふ。楽しみにしてるよ」

外の雨音に気がつかないほどボクの想いは膨れ上がり、この日から急に加速することになる。
それがキミの歯車を動かすことになろうとも。



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