永遠にずっと……


人気の無い竹藪の中を歩き続けると、森閑とした小さな野原がある。そこは名前が一人で修行をする際よく訪れる、お気に入りの場所であった。
今日もそこで剣技を磨こうと思い足を運んだのだが。

「先客……?」

一際美しい剣技を繰り出す人物の姿を見つけ、名前は咄嗟に身を隠した。別に身を隠す必要などないのだが、彼の鍛錬している姿を見ていたかったがために、あえて声をかけはしなかった。

力強く剛勇の炎が舞う。
誰よりも努力し続けるその姿勢は柱たる所以か。それともその努力があったからこそ柱へと登りつめたのか。
どちらにせよ今現在も名前では到底敵わない相手だ。

そう、義勇さん同様──。

「先ほどからそんなところに隠れてどうした名前!」

ほら。何でもお見通し。

「やっぱりばれちゃいましたか」
「うむ。名前の気配は独特だからな」
「もう少し煉獄さんの剣術を見ていたかったのに残念です」

そう告げると目の前の人物──炎柱である煉獄杏寿郎は笑みを浮かべた。

名前と杏寿郎がこの場所でこうして会うことは珍しいことではなかった。ここは名前がまだ鬼殺隊に入って間もない頃、よく二人で手合せした場所でもあったからだ。
任務や情報収集等で義勇が留守にしている間、義勇の次によく稽古をつけてくれたのが杏寿郎だった。

「久方ぶりにここで会ったのも何かの縁だ。せっかくだから手合せをしていくか?」
「いいんですか……!?」
「いいも何も名前との手合せなら俺はいつでも大歓迎だ!」
「ではお言葉に甘えてぜひお願いします!」

昨今は義勇ですら稽古につくことは無かったため、柱との稽古は大変貴重なものだった。思いがけない展開に名前の胸が踊る。
そしてすぐさま互いに日輪刀を翳しあい、無音の中見つめ合うこと数秒。

「行くぞ!」

杏寿郎のかけ声と共に激しい手合せが始まった。
ガキンッと刀がぶつかり合う音が竹藪の中に響き渡る。杏寿郎の重い斬撃を受け止めるたびに、名前の両手には痛いくらいの痺れが走った。
流れるように水を扱う義勇とは違う。豪快に猛る炎が容赦なく襲いかかる。

「名前!君はまた少し腕を上げたようだな!」
「相変わらず煉獄さんは褒め上手ですね……!くっ!」

何とか攻撃を受け止め続けるも、少しずつ追いつめられていった名前が、ついに刀をその手から落としてしまう。すかさず杏寿郎の刀が名前の首元へと向けられ、結局いつも通り一本を取られてしまった。

「もう一回お願いします!」
「もちろんだ!」

懐かしい記憶が蘇る。今よりももっともっと弱くて何度も返り討ちされていた時のことを。
あの日から何一つ変わらない優しくあたたかな炎に包まれて、名前もまた自然と笑みを浮かべていた。





こうして二人の稽古は夕暮れ時まで休むことなく続いた。

「よし!今日はこのへんで終わりにしよう!」

杏寿郎の言葉と共に、名前のお腹から空腹を知らせる音が鳴った。気づけばもうかなり日が落ち始めている。なるほど、どうりでお腹が空いているわけだ。

「今日は急遽稽古をつけて頂きありがとうございました」
「礼を言うのは俺の方だ。名前のおかげでとても充実した稽古が出来た」
「ああ、でもまだ残念なことが一つだけ」
「何だ?」
「せっかく煉獄さんとお会い出来たのに、お話する時間は全然ありませんでしたね」

柱は多忙だ。そうやすやすと会えるものではないし、ましてや稽古となれば尚の事。
ただここ数日何故か鬼達が大人しいということもあり、隊士達の任務が激減していたところではあるけれど。それでも稽古をつけてもらっておいて、これ以上何かしたいだなんて我儘に他ならないのだ。

「ならば俺の屋敷で夕飯を食べていくか?」

それなのに杏寿郎はその我儘をすんなりと受け入れ、名前の頭をぐしゃりと撫でた。

「煉獄さんのお屋敷でですか?」
「今夜は珍しく父上が外に出ていてな。冨岡も誘ってどうだ?」
「はい、ぜひ!そうだ、私稽古のお礼に何かお作りしますね。とっておきのさつまいものお味噌汁も!」
「うむ、それは良い提案だ!」

そうと決まれば時間が惜しい名前と杏寿郎は、竹藪の中を抜け屋敷へと足早に向かった。
その道の途中のことだった。

「煉獄さーん!名前さーん!」

二人の名前を大声で呼ぶのは炭治郎だ。

「お二人で何をしているんですか?」

嬉しそうに駆け寄る炭治郎の後ろには善逸と伊之助の姿もある。

「これから煉獄さんのお屋敷で一緒に夕飯を頂くんです」
「夕飯だと!?俺も食いてぇ!」
「そうか、なら君達もくればいい」
「え、俺達なんかがいいんですか……!?」
「もちろん大歓迎だ!」

伊之助の一言から三人も夕飯を共にする流れになってしまった。名前としては嬉しいことなのだが、大人数でおしかけていいものなのかと心配になり、杏寿郎をちらりと見やる。
するとそんな思いを察したかのように杏寿郎は口を開いた。

「何人増えても俺の方は大丈夫だ。気にするな」
「そうですか。それなら良かったです」
「それに大勢の食事の方がきっと千寿郎も喜ぶ」

杏寿郎がにっこりと笑う。
その笑顔を見て太陽のように笑う人だと改めて思った。

「お、何だ何だ?こんなところで群がってお前ら何やってんだ?」
「あれ、天元さん。こんにちは」

今度は炭治郎達とは逆方向から天元とその嫁達が、ぞろぞろとこちらに向かって歩いてくる。

「これから煉獄さんのお屋敷で、皆で夕飯を食べるところなんですよ」
「へぇ面白そうだな。よし、俺達もいっちょ派手に参加してやろうじゃねぇか!」
「大いに歓迎する!」
「さすが煉獄、話が分かる男だ。そうと決まれば雛鶴、屋敷にあった大量の酒を持ってくるぞ。今夜はド派手に宴会だ!」

天元が口にした宴会という響きに、その場にいる全員の表情がパアッと明るくなる。全員の意向が一致した瞬間だった。

「では柱の皆さんにもお声がけしましょう!」

こんな機会滅多にない。そう思った名前は義勇を筆頭に柱全員に宴会へのお誘いをするのだった。
そしてこの夜のことは全員の胸に残る、素敵な思い出となっていった。





各々が食材やお酒を持ち寄り、宴の準備は着々と進められた。さすが柱である杏寿郎の屋敷とでも言うべきか。とても大きく立派な屋敷ではあるが、これだけの人数が集まれば部屋は瞬く間に埋まっていく。

「おい冨岡ァ!俺はまだまだこんなんじゃ潰れねェぞォ!」
「……もう少し静かに飲めないのか」
「あァ!?テメェ……上等じゃねぇかァ!」

そんな中、不死川を筆頭にすでに男達の酒盛りは始まっていた。

「義勇さん、不死川さん!そんなに一気に飲んだら体に良くないですよ……!」
「あーいいからほっとけほっとけ」

わたわたする炭治郎の肩に天元の腕がかけられる。その手には義勇達同様すでに一升瓶があり、天元もまたいつにも増してご機嫌な様子であった。

「賭けをしてて先に潰れた方が負けなんだとよ」
「賭けって何をかけてるんですか?」
「あそこ。一番大事なもん」

そう言いながら天元が指差した方向は台所の方だった。
不死川はともかく、あそこで義勇の大事なものを示すとしたら……。

「名前さん……!?」
「女の取り合いに巻き込まれたくなかったらそっとしとけ。まぁお前も惚れてんなら別の話だが」
「お、俺は違います!その、他に……!」
「他に?何だ何だ?よし続きはこっちで派手に聞いてやるから来い!」


さて一方、天元が指を差した台所では。

「じゃあ千寿郎くん、アオイちゃん、蜜璃さん。皆で手分けして作っていきましょうか」

名前を筆頭に料理を得意とする者達が集まり、食事の準備が行われていた。
今夜は集まった人達の好物を、それぞれ分担していく作っていく予定だ。

「あ!また盗み食いして!」
「天ぷらは揚げたてが一番美味いんだから仕方ねぇだろ!」
「仕方なくありません。あ、こら!それは悲鳴嶼さんの炊き込みご飯です。貴方の分はこっち」

アオイは伊之助とのつまみ食いの攻防を繰り広げながら料理中。

「無一郎くん、今帰りたいって思いましたね。そうはさせませんよ。じゃじゃーん!奥義ふろふき大根です!」
「わぁ……!ありがとう」
「たくさん作ったのでゆっくりしていって下さいね」

名前は無一郎を好物で強引に繋ぎ止めておく作戦を実行しながら料理中。

「やっぱり千寿郎くんの作るすいーとぽていとは最高だわ!」
「蜜璃さん、味見と言いながらもの凄い勢いで無くなっていっているのですが……」
「やだわ私ったらごめんなさい……!今すぐ作り直しするわね!」

最後に千寿郎がコツコツと料理する隣で、料理よりも味見に力が入る蜜璃がいた。

それぞれ様々な攻防はあるが、四人で作り始めるとあっという間に料理が出来上がっていく。
各所から聞こえる絶え間ない笑い声を耳に、名前の包丁はいつも以上弾んでいた。

「おお!こっちは鮭大根か!」
「伊之助さん、これ以上つまみ食いは禁止です!」
「禰豆子ちゃああん!一緒に金平糖食べようよー!」
「ああもう!台所では走り回らないで下さい!」

最早台所はアオイの注意など聞く耳持たずの者達による無法地帯。そんな中できらりと光るは名前の包丁だ。

「はい、皆さん。注目です」

それも怖いくらいの笑顔を浮かべて、顔の横で包丁をかざしている。

「これ以上アオイちゃんの言うことが聞けないのなら、私がこれで削いで差し上げましょうか」
「そ、そんな物騒な……」
「大丈夫ですよ。私お魚をおろすのは得意ですし、万が一何かあっても今日はしのぶさんもいらしてますから」
「ひいい……っ!」
「義勇さんの大好物の鮭大根に手を出そうなんて人は特に……ね」

鮭大根に手を伸ばしかけていた伊之助が、凍りついたように動かなくなってしまった。名前のこういう姿は何度か目にしているから、この一瞬張りつめた空気が何を意味しているのかは重々承知している。
これは名前が怒る寸前の予兆だ。

「お、俺そういえば炭治郎に呼ばれてたんだった……!」
「俺も俺も!禰豆子ちゃん、早く行こう……!」

こうして名前の態度で察した二人は、その意向を汲みそそくさと台所から去って行ってしまった。

「さ、静かになったところで仕上げといきましょう」

一段と笑顔が怖く感じる名前に皆が固まる中。

「甘露寺。こっちの様子はどうだ?」
「伊黒さん!」

伊之助達に変わって台所を訪れた人物は、蛇柱である伊黒である。

「もうすぐ全ての料理が出来上がりそうよ」
「そうか。ご苦労だったな」
「ううん、頑張ったのは私じゃなくて皆なの。私は味見だなんだ言って食べてばかりで全然役に立てなくて……」

謙遜する蜜璃を見つめる伊黒が、不意に目を逸らしてしまう。何かあったのだろうか。

「割烹着まで着てきたのに情けないわ」

ああ、なるほど。割烹着か。
そんな伊黒を見ていた名前は腑に落ちたと言わんばかりに、小さく手を叩いてみせた。

「伊黒さん?どうかしたの?」
「いや……別に何でもない」
「え……でも何だか全然こちらを見てくれないし……まさか具合でも悪いんじゃ……!」
「蜜璃さん、そうじゃないですよ」

慌てる蜜璃の間に名前が入る。嫌な予感がした伊黒はそんな名前を止めようとするも。

「蜜璃さんの割烹着姿が可愛いからですよ。ねぇ伊黒さん」

一歩間に合わず。

「ほら、何だか新婚さ──」
「名前……!貴様殺す!」

顔を赤く染めながら今にも名前を射殺す勢いで伊黒が近づくと、今度はその後ろから更に低い声が台所に響き渡った。

「誰が誰を殺すだと……?」
「あ、義勇さん」

そこに立っていたのは、伊黒にも負けないくらい顔を赤くさせた義勇の姿だった。

「義勇さん、ちょっと飲みすぎたんじゃないですか?珍しくお顔がこんなに真っ赤になっています」
「名前……そこをどけ。俺は伊黒に……」
「冨岡ァ……テメェ俺との勝負を途中で抜けて何イチャついてやがんだァ……?」

そのまた後ろから先ほどの義勇よりも更に低い声が台所に響き渡る。ただでさえとっつきにくい柱三人なのに、そのうえこうも殺気じみていたら、千寿郎とアオイが怖がるのは無理もない。

「おら冨岡!さっさと来やがれェ!」
「俺は今伊黒に話が……」
「なら伊黒も連れてこい!どいつもこいつも俺が蹴散らしてやらァ!」
「な、何故俺が……!俺は甘露寺に……!」
「では後で皆さんの好物をお持ちしますね。それまで飲みすぎ注意ですよー」

言い合いしながらも去って行く三人を、名前がヒラヒラと手を振りながら見送った。

まるで嵐が過ぎ去ったかのようだ。再び平穏が訪れた台所で、四人は残りの料理の仕上げにさしかかった。

「あの、名前さん」

それからしばらくして、先に料理を終えた千寿郎が名前に声をかける。

「どうしました?千寿郎くん」
「今日のこと、改めて名前さんにお礼が言いたくて……」
「お礼、ですか?」
「はい。皆さんにお声をかけて下さったのは名前さんだとお聞きしました」
「あ、でもそれは」
「こんなに賑やかな食事は久しぶりでしたから、僕も本当に嬉しくて。それにあんなに楽しそうな兄上を見るのも久しぶりな気がします」

そう言って微笑む千寿郎を見て、名前はまるで小さな太陽のようだと感じた。その笑顔は温かくて優しくて、太陽のような彼にとてもよく似ている。

お礼を言われるようなことは何一つしていないのに。だって本当は皆は……。

その言葉を口にする前に、千寿郎はその場を離れ杏寿郎の元へと行ってしまった。





疲れて寝てしまった者。
酔い潰れ寝てしまった者。
任務のため帰宅した者。
それぞれが宴会の終わりを迎え、あれだけ騒がしかった屋敷は嘘のように静まり返っていた。

「ふぅ。これで最後」

カチャリと鳴った食器の音を最後に、台所にも静寂が訪れる。全ての片付けを終えた名前は、一人流し台に持たれかかり大きく息を吐いた。

「ご苦労だったな」

そこへ現れたのは、こちらもまた最後まで皆の面倒見て介抱していた杏寿郎であった。

「まだ起きていらっしゃったんですか?」
「中々寝つけなくてな」
「ついさっきまでもの凄い騒ぎでしたもんね」

クスクスと笑う名前の横に杏寿郎が並ぶ。

「名前には改めてお礼を言わせてほしい。とても楽しい宴会だった」
「先ほど千寿郎くんにも同じことを言われましたが、私はお礼を言われるようなことは何一つしていませんよ」

杏寿郎は名前が皆に声をかけてくれたからこそ、こうして集まることが出来たのだと言った。
名前が鬼殺隊に来てからというもの、義勇はもちろん他の柱達の間に流れる空気もどこか変わった気がしていた。もちろんそれは良い方向にだ。
あらゆる面で名前は不思議な隊士だった。彼女の独特の気配はそれらに関係しているのだろうか。

杏寿郎がしばし考え込む。

「煉獄さん、私が鬼殺隊に入隊したばかりの頃のことを覚えていますか?」

すぐにもちろんだと返答した杏寿郎に、名前は話の続きを口にした。

「異例で入隊した当時の私は、鬼殺隊の皆さんに受け入れてもらえない日々を送っていました。当然柱の皆さんも最初は私のことを警戒していましたしね」

得体の知れない者への対応としてはそれが正解だと理解はしていたけれど、悲しい記憶であったことも事実だった。

「あの頃私の側には義勇さんしかいなくて……でもそんな私に一番最初に声をかけて下さったのが煉獄さんだったんです」

鬼殺隊の一員としていつか認めてもらえる日が来るのだろうかと、名前自身も信じられなくなっていた時のこと。何の躊躇もなく杏寿郎は笑顔を向けてくれた。

「命をかけて鬼と戦い人を守るものは、誰が何と言おうと鬼殺隊の一員だ」

あの日もこうして同じ言葉をかけてくれた。
それがどれだけ嬉しかったか。

「今日皆さんがここに集まったのは私の力じゃありません。全部煉獄さんの力です」


「私達は皆、煉獄さんのことが大好きだから集まったんですよ」


強くて優しい貴方のことが本当に大好きだから──。

「……そうか。ありがとう」
「どういたしまして」
「ただそれでも俺は君に感謝をしている」
「え……?」
「やはり実際に名前が声をかけてくれたからこそだと思うし、君が鬼殺隊に来てから冨岡はもちろん、皆よく笑うようになった」
「そんな……」
「それは君のその優しさのおかげだと俺は思っている。改めて君が鬼殺隊に来てくれて良かった」
「……煉獄さん」
「それからさつまいもの味噌汁の礼もだ。とても美味かった!ありがとう!」

真っ直ぐで力強い言葉のせいか、ぐしゃりと頭を撫でられたせいか、名前の目からポタリと涙が落ちる。

「すみません……っ」
「うむ。どうした?」
「っ、あれ、おかしいですね……義勇さんの前でしか涙は出ないはずなのに……っ」
「遠慮はするな。泣きたい時は泣けばいい」

そんなことを言われたら益々涙が止まらなくなってしまう。必死に拭って止めようとするも、この嬉し涙はそう簡単に止まるものではなかったみたいだ。

そうこうしているうちにゆらりと台所の入口で立ち尽くす男が一人。

「……何故名前が泣いている」

それももの凄く怒りながら……!

「あ……っ、義勇さん。これは違うんです……っ」
「目を覚ましたのか!」

涙を流す名前と頭を優しく撫でながら慰めてくれている杏寿郎。たったそれだけのことなのに、誤解を招くには十分なものだったらしい。

「煉獄、刀を持ってさっさと表に出ろ」
「む。日輪刀を持ってまで……なるほど!手合わせの誘いという訳か!」
「義勇さん!あの、誤解です……!」
「おいテメェら……俺を差し置いて勝手なことばかりしてんじゃねェ。冨岡との殺し合いなら俺が先だァ!」
「不死川も起きたのだな。よし、では三人で手合わせといこう!そうと決まれば場所はあの竹藪の中だ!」

竹藪って昼間の……?

「名前、少しの間留守を頼む!」

そうして杏寿郎は何だか楽しそうに、他の二人は殺気立ったまま、玄関を出て暗い路地へと消えていってしまった。

「ふりだしに戻っちゃった……?」

宴も人の想いも決して終わることはない。
そしてあの強く優しい炎は、これからも燃え続け未来へと繋がっていく。

永遠にずっと……。


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