※学パロ
※にょた宗












「はぁ…」









自分の机に鞄を置き、椅子に座って早々に政宗は「はぁ…」と一つ溜め息をついた。それを聞いたのか孫市と鶴姫が政宗の元に駆け寄ってきた

鶴姫は政宗と机を挟んで正面に来て机に顎と手を乗せてしゃがみ、孫市はそんな鶴姫の斜め後ろに立っていた









「どーしたんですか、まーちゃん。溜め息をしたら幸せが逃げちゃいますよ」

「したく無くとも…出ちまうんだよ…」








そう言ってまた一つ溜め息をついた。あまりにもらしくない政宗を見て、2人は困惑し互いの顔を見合わせた。

―…伊達政宗と言えば、運動神経も頭も容姿やスタイルまで良く、負けず嫌いでこれっと決めたら一途で人の気持ちには鋭いくせに、自分に向けられる好意などには鈍く……などなどと挙げればいくらでもある。
まぁ、簡単に言ってしまえば、こう溜め息を何度もつき浮かない顔をして、いかにも悩んでますと思わせる政宗は珍しいと言うことである









「何をそんなに溜め息をついている?悩み事があるなら話してみろ」

「そーですよ、悩み事があるならため込まず話して下さい!」

「…サヤカ…鶴姫…」









2人の優しさに政宗は思わず感動した。やっぱり持つべきものは友だ、と改めてしみじみと思ったとか。
こうして政宗は2人に悩み事を全てぶちまけた。最初は2人とも「うんうん」と頷きながら相槌を打つ。だが、政宗の悩み事を聞いていくうちに孫市の相槌がピタリと止まった。まぁ、鶴姫も政宗も気づかず相槌を打ち、悩み事をぶちまける

孫市は政宗の悩み事を聞いて「コイツは馬鹿なのか」と思っていた。



まぁ、内容を簡単に言えば彼氏に対する悩み事である


―…政宗は今ある人と付き合っている。そのある人とは石田三成と言う男である。彼は人と仲良くするなんてクソ食らえぐらいの気持ちであり、また食事と睡眠もろくにとらない本当に変わり者でもある
だが顔は整っており、運動も頭も良いので意外にも女子にモテている




そんな三成と付き合う政宗は彼は自慢の彼氏であり、三成もまた政宗は大事な彼女である。
互いに大事にし愛し合っていると言うのにどこに悩む要素があるのだ


孫市がそう思い聞いていると、どうやら政宗は「自分は愛されてないんじゃないのか」…と言うらしい。

あぁ、本当にコイツは馬鹿だな。と思い孫市はおもわずプギャーと言う顔文字の顔になりそうになった








「…何故、そう思うのだ…」

「……だってよ、この前いきなり怒られたしよ…帰りはあんまり話してくれねーし、しかも俺って右目ねーし胸も少し小さいし…」








そう言って政宗は孫市の胸をジトーと羨ましそうに見ていた。鶴姫は「胸で全て決まりませんよ!」と言って励ましていた。実にその通りだと思う。何も胸で全ては決まらない


だが、右目を気にするのは仕方がない。政宗は幼少時に病気で右目をなくしイジメにあっていた。当時の政宗はすごい引っ込み思案だった。今ではそんな面影は無いが、やはり今でもトラウマである右目を気にしている




…だからどうした、である。三成は胸が小さかろうと右目が無かろうと関係無いのである。それら全てを含め政宗と言う人を愛しているのであるのだから


お前たちは他人から見たらラブラブのカップルだ。だから悩むほどでも無い、と孫市は言おうとし少し口を開けたが、すぐに口を閉じた






「つまりお前は奴との交際に不満がある、と言うことだな」

「AHー…不満て言うか、なんと言うか…」

「――…だ、そうだ石田」

「!!?」








政宗は勢い良く後ろを振り向いた。そこには悩みの原因であっる三成がいた。政宗は「いつからいたんだよ!」と思い酷く驚いており、三成はピクリと眉を動かした








「み、三成…いつから…」

「"出したく無くとも〜"からだ」

「最初っからじゃねぇか!」

「それより貴様…私に不満があるだと…」









ガッと政宗の両肩をつかみ凄い剣幕で政宗の顔をじっと見つめる。…と言うか睨みつける感じになっている。小さい子が今の三成の顔を見たら絶対に泣く。必ず泣く。小さい子で無い政宗でも顔をひきつらせ汗がツゥーと流れた








「だいたい貴様に怒鳴ったのは、見ず知らずの男に無防備に笑うからであろう!帰りにあまり話さないのは…その、何を話せば分からないだけだ!
あと私はむ胸が小さいから右目が無いからなどのくだらん理由で貴様を嫌いになるわけ無いだろ!」

「o…oh…」

「ま、政宗…その…あのだな…」






目をあちこち泳がせ辿り着いた先は孫市と鶴姫に視線を向けた。どうやら助けを求めているようだ。孫市と鶴姫は互いに顔を見合わせて少し微笑んでから、三成を見てガッツポーズをし、「ガンバ☆」的な感じのエールを送った

三成はクッ…と言いたげな目を少ししてから政宗に視線を戻した









「あ、あい、愛して、る」

「……Really?」

「あぁ、私は嘘は嫌いだ」






プイっとそっぽを向く三成の顔は真っ赤に染まっていた。政宗も顔を赤くしけれど微笑み三成に抱きつき、「I love you!」と言った





教室はヒューヒュー、熱いねーと黄色い声が上がり一気に盛り上がった






こうして素直に愛している、と言えば政宗も悩むことも無いのだが、三成は所謂ツンデレであり不器用な人である。だが、政宗も鈍感なため遠回しの言い方ではきっと伝わらないと言う、本当に困ったカップルだ。と孫市は2人を見てそう思っていた












不器用と鈍感


(のコラボレーション)
(迷惑もいいところです)












―――――

大変お待たせしました…!
「三♀政で学パロ」との事でしたが…これでよろしかったでしょうか…?
リクを頂き約2ヶ月…もお待たせしてしまったのですね…うぁあああぁあああすみません!ジャンピング土下座します(´;ω;`)

書き直し、苦情、持ち帰りは政奈さまのみです


この度はリクエストありがとうございます!これからもよろしくお願いします!