よく晴れた日。政宗は只今、無意識の内に微笑んでいた。その理由としては、目の前に広がるたくさんの料理を次々と胃の中におさめる、2人の男の姿…徳川家康と石田三成を見ているからだろう
微笑んでいる政宗を余所に2人は、美味いと言葉を零し、料理を口に運ぶ。家康はともかく、三成が自ら進んで料理を口に運ぶのは珍しかった。これには三成の友である大谷も驚愕していた。三成は食にあまり興味が無いのか、ご飯を口にする事は滅多になかった。
だから、大谷はいつも三成に、握り飯を持って行き、この米一粒一粒が憎き徳川だと思うが良い、と気持ち悪い例えを三成に言って無理矢理、食べさせていた。もちろん、家康が世界一憎いので家康ゥウウとか叫びながら、むしゃむしゃと食べていた。…まぁ、今では家康に対しての憎悪や復讐の念は薄まってきたとか…
そんな話を以前、政宗は大谷から聞いた事があった。その話を聞いたあと、政宗は暫し考えて「OK。」と呟き、自ら厨房に立ち、料理を作ったのだ。出来上がった料理を三成と何故か付いて来た家康に振る舞った。
最初は横でガツガツ食べている家康を余所に、三成は「いらん」の一点張りで食べようとはしなかった。どうしたモンか…と政宗が考え込んでいると家康が「いらないなら、ワシが頂くぞ!」、と言って三成の料理に手をつけた。これには、三成は激怒した。
大激怒した三成は「貴様にやるくらいなら、自分で食う!」と言って政宗が作った料理を食べたのだ。それからだ、三成が食べ物を自ら口にするのは。あ、いや勿論、政宗の料理限定であるが。
それからと言うもの、2人は政宗の城に訪れては政宗の作った料理を頬張っていた。料理が趣味である政宗も、自分が作ったのを美味しいと言ってくれるのは嬉しいモンだから、毎回腕を振るって幸せそうな顔をして作っている
最初、あの2人がここにいる事も、政宗の料理を食う事も納得いかない家臣(成実とか小十郎とか)もいたが、政宗が幸せならいっか、なんて最近思い始めたようで、敵対視することも無く、普通に彼らを受け入れていた
伊達軍にとって、もう2人が来るのは日常化していた。勿論、このあと起こることも。
「イィエヤスゥウウ!それは、私のずんだ餅だ!」
「皿の端にあったから、いらないと思ったんだが」
「あとで食べる予定だったのだ!」
「三成は好きな物は最後に残しておく方だったか!ははは、すまんすまん、ワシの食べかけで良ければ…」
「いらん!貴様の食いかけなど絆菌がついているに決まっているだろう!」
「絆菌!?初めて聞いた菌名だ!」
「死色の羽よ、私を、抉れ!」
「ぎゃぁぁぁ!」
「Shut up!アンタら食事中くらい静かに出来ねーなら、一生作んねぇからな!」
今にも、家康を倒し斬首しそうな三成と慌てている家康に政宗が一喝入れれば、2人は大人しく座り直した。その流れは、一瞬の出来事だった。これには政宗も、すげぇと感心した
「しかし、独眼竜の作るモノ全て美味だなぁ。毎日食べたいものだ!」
「…伊達、これから毎日、私だけに作れ」
「―…っ、この…fool共が」
思わぬ告白に、政宗は僅かに頬を赤く染めた。
それを見た2人は微笑み、向かいに座っている政宗の側まで行き、家康は政宗の頭を撫でては瞼にチュッとキスをし、三成は背後からギュッと抱き締め、政宗の首に顔を埋めた。すると、政宗の顔はみるみるうちに赤くなっていったとか。
料理から始まる日常
(食後は昼寝とするか!) (家康、貴様はいびきがうるさいからあっち行け) (三成、それは酷いぞ!それにワシはいびきなどかかん!) (えぇい、黙れ!爪一枚ずつ剥がすぞ!) (めっさ恐っ!そしてトラウマ確定!) (うっせェエ!俺を挟んで喧嘩すんな!)
――――― 大っ変お待たせしましたァアア! 壱様に捧げる小説、「仲良しなほのぼの関ヶ原×政宗」でした!…期待に添えてない感がプンプン匂います。すみません!壱様のみお持ち帰り、苦情、書き直しの申し込みを受け付けます! 何となく没になった文も置いておく…(← 没文とほぼ一緒じゃんって思ったら負けです…!すみません。
これからも何卒よろしくお願いします!
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