ザッザッザッと早足で森の中を歩いて行く銀髪の青年…石田三成は、豊臣軍が戦に勝利してから家康の姿がまた見えない。と半兵衛から言われ、私が探して来ます。と言い残し家康のいそうな場所へ歩いていた。


辺りに屍が転がっているのもお構いなしにズカズカと大股で歩く三成は、相当怒っている様子だった




己…家康…!あれほど、秀吉様と半兵衛様にご迷惑をかけるなと言ったのに…何故、同じことを繰り返す…!斬滅してやるぞ……!


そんな思いを駆け巡らせながらズカズカと歩く足をピタッと止めた。何やら気配を感じとったようだ。神経を辺りに集中させた




気配の数は…二つ…か。おおよそ雑魚が生き残っているのだろう。なら、さっさと片付けて家康を見つけ出し、軍に帰らなければな



いつでも抜けるよう、左手で持っている刀に手を伸ばし近づいてくる2つの気配に向け、お得意の居合いで斬りかかった
だが、血飛沫は飛ぶことはなく、代わりにガキィィンと言う金属と金属のぶつかり合う音が響いた






「み、三成!」

「…家康?」







気配の正体は自分が探していた人物…徳川家康だった。相変わらず目が痛くなるような色の服だと思いつつ、舌打ちを一つして刀を鞘にしまった

家康も刀を受け止めていた拳をそっと下ろした。三成は鞘に入った刀を家康に向けて怒鳴り散らした




「貴様ァ!あれほどうろちょろするなと言っただろうが!秀吉様と半兵衛様にご迷惑おかけするな!」

「す、すまん…」

「だいたい、今まで何をしてい………た…」






怒りのあまり血が昇っていた頭でよく周りを見ていなかったが、少しずつ冷めてくると、ふっとあるモノが目に入った。家康の抱きかかえている…少年だ


三成は眉間に皺を寄せ、家康に尋ねた





「家康、その小僧は誰だ」

「ん?…あぁ、梵天丸のことだな」

「ぼん…?」

「うむ、実は先ほど見つけてな。話を聞けば迷子になってしまったようでな…置いていくのも可哀想だったから連れてきたのだ」






なー。梵天丸ー?と家康が聞けば、梵天丸と呼ばれている少年は家康の服をギュッと掴み、コクコクと頷いていた。


梵天丸と呼ばれる少年をじっと睨みつけるように見れば、ビクッと肩を跳ねらせジワジワと涙目になっていた。だが、泣くもんかと言わんばかりに下唇をグッと噛んで我慢していた。

今は我慢しているが、糸が切れ大泣きされては困ると思った三成は「家康」と言って少年に向け顎で知らせれば、泣きそうな少年を見て家康は少し焦り、「おー、よしよし」と言って背中をポンポンと優しく叩きあやし始めた






「三成が怖い顔しているから梵天丸が怯えているぞ?」

「知るか。それより貴様、そいつをどうするつもりだ」





刀の柄で梵天丸をさす三成。確かに抱きかかえて、ここまで来たのはいいがこの後、梵天丸をどうするかは深く考えていなかった。一つ考えていた事はあると言えばあるが…ぶっちゃけ、三成が大激怒しそうで怖い。…否、大激怒する


大激怒を覚悟に少し閉じていた口を開かした。梵天丸は相変わらず家康の服をギュッと握りしめていた







怒る原因


(…と言うわけなんだが…)
(家康ぅうう!私の言った事を理解しているのか!?)
(わわ、落ち着け三成!)






―――――
梵天丸が喋ってない事実(^p^)



20110722

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