※学パロ






――…2月14日、この日は女子も男子も待ちに待った日。言わずもがな、そう今日はバレンタイン

女子は好きな人にあげることで朝からドキドキし、男子は一体自分はいくつ貰えるのだろうかと朝からソワソワしていた


モテる男子はこの日、当然のことのようにチョコを女子からもらうため、他の男子から「いくつ貰ったんだよー」とか「隅に置けないねー!」茶化されることがある

もちろん、







「――…政宗くん、こ…これ受け取って…!」

「…Ahー…Thanks…」






政宗にとても、例外では無かった。政宗は顔も整っているし運動も勉強も出来るので、女子たちの人気は高い。なので朝からこうやってチョコを頂いたり、下駄箱や机の中に入っていたり…ともうチョコ尽くしであった


教室に戻り、片手に持っていた可愛く包装されたチョコが入った紙袋を、机の横にかけて席に座る。ふぅ、と息を吐き一段落ついていると、友人たちが己の机の周りに集まり出してきた







「わー、竜の旦那こんなに貰ったんだー」

「政宗も隅に置けないねー!」

「まこと多き数に某恐れまいりまする…!」

「おうおう、これ全部でいくつくれぇあんだ?」

「I don't konw。数えてられねーよ…。あー、疲れたぁ…」







グテェと机に突っ伏す政宗にみんな、「お疲れ様ー」などと声をかける。みんなもそれぞれ貰ったチョコを一口つまんでいた。政宗の周りの友達もやはり政宗同様にモテる。故にチョコはそれなりに貰うが、数は政宗ほどでは無いため、他人ごとのように「いやーすごいすごい」と拍手を送っていた。


――…いや、政宗と同じくらい張り合える人物が一人いた。







「おーい、みんなおはよう!」






そう言って爽やかな笑顔で教室に入って来たのは、このクラスの学級委員である家康だ。彼は顔も良く、性格の良さから政宗と同じくらいチョコを頂いていた。証拠として包装されたチョコがいっぱい入った紙袋を片手に教室に入って来たのだから







「徳川の旦那も貰ったねー」

「家康もモテモテだねヒューヒュー」

「そんなことは無いぞ。みな日頃の礼だと言って渡してきたんだ」

「いやいや家康はいい奴だから、その中に本命いるぜぇ?」

「Hey家康、告白はされたか?」

「な、なな…破廉恥ぃいいい!」

「破廉恥の基準がわかんねーよ」







初すぎる幸村は「告白」と言う言葉で顔を真っ赤にさせて手で顔を覆って破廉恥と叫ぶ。前にも、男女が仲良く話しているところさえも破廉恥と叫んでいるため、みなどこら辺からが破廉恥なのか、幸村の基準が分からない



あははは、と家康は爽やかに笑い、本当にこれ全部義理だぞ?と言うがみな疑いの視線を向ける。困ったなと言わんばかりに頭を掻き、ならチョコ一個一個見るか?と紙袋を前に差し出せば、みな可愛く包装されたチョコについている手紙を悪いと思いながらも一個一個見始めた

中には幸村もちゃっかり混ざっており、お前の破廉恥の基準本当わかんねぇと政宗は心の中で呟いていた。


すると、家康は何か思い出したのか政宗の近くに行き、ソッと耳打ちをした







「そういえば三成は生徒会室にいるぞ」

「――…ッ!」







ボッと顔を赤らめて、視線をチョコから家康へ向ければ、これ以上に無いと言うかのように満面の笑顔とグッと出された親指。なんか無性に腹が立ったので効果は無いと思うが、家康の腹にパンチを食らわした

案の定、家康は爽やかに笑っているだけで痛さを微塵たりとも感じていないようだった。政宗はもう一度殴ろうか考えたが、早く生徒会室に行きたかったので家康に礼を述べて教室を出て行った。









――――






生徒会室前――…

教室を出てすぐに走って来たので乱れた息を整える。真面目な彼が廊下を走っている自分を見たら、きっと「伊達政宗ェ!廊下を走るなぁ!」と怒鳴りながら走って来るのだろう。そんな彼の姿が易々と想像出来てしまいクスリと政宗は笑った






「何を笑っている」

「ククッ…だってよォあの三成が走って来ると思う――…って、うわっ!三成、テメェいつの間に後ろにいやがった!」

「ついさっきだ。貴様が扉を前にして笑っていたもんでな。――…いや、それより私が走るとそんなに面白いか?」







後ろにいた三成は政宗にズイッと顔近づけた。それはもう鼻と鼻がくっつきそうなぐらいに。それにより政宗は、ううううわーっ!と頭の中は少しパニクり、頬を赤らめさせた






「あ、み、み三成!お前に渡してぇもんがあんだよ!」

「?なんだ渡したいものとは」








手に持っていたある物を思い出し、少しだけ三成との距離をとった。いくらあまり人が近寄らない生徒会室前であっても、廊下であんなに密着しているところを見られたら、政宗は羞恥のあまり死ぬわ。なんて思っていた








「…ん」

「……?」







三成に綺麗に包装された小さな箱を渡す。三成はそれを受け取り、何なんだろう?と疑問に思いながら渡された物を見つめる







「今日はvalentineだろ。だから、その、お前に手作りchocolateをやるよ。っつても、甘さ控えめのbitterだかな。」







ニコッと微笑み、そういえば三成は口元を手で覆い、何やら眉間にシワを寄せていた。もしかして嫌だったか?と思った政宗はオロオロとし、謝ろうと口を開けた瞬間、不意にギュッと三成に抱き締められた

一瞬何が起きたのか分からなかったが、状況を把握した途端顔を真っ赤にした








「み、みつな、」

「ありがとう政宗。」

「…お、おう。い、今すぐ食べて感想、聞かせろよ」

「あぁ、だが、ちょっと待て」








抱き締められていた体が少しだけ離れ、少しだけ三成の方が背が高いため、ちょっと顔を上に向ければ、そこにはまた鼻と鼻がくっつくくらいの近さに三成の顔があった

そして―――…








「チョコより貴様を食わせろ」








そう言って、どんなチョコよりも甘い甘い口付けをした














欲張りな彼

(チョコもいいけど)
(君を一番食べたいの)













――――
誰 だ コ イ ツ ら (^p^)
なんかマジで誰だよとか思いました。てか、遅刻しましたがバレンタインネタです!久しぶりの執筆でなんか色々と違う!
三成お前誰だよ!学びの場で何イチャイチャしてんだ!破廉恥め!もっとやれ!←


とりあえずハッピーバレンタインです(^p^)




20120216



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