※現代パロ
辺りは薄暗くなり、ワイワイガヤガヤとたくさんの人混みが目の前に広がっている。 8月の終盤、地元の神社ではお祭りがやっている。屋台がここぞっと言うばかりにたくさん出ており、カップルやら友達同士やら家族やらで、いつもは静かな神社が、今日はうるさいと思うほど賑わっていた。
それをじっと見つめ、電柱に寄りかかっている青年…石田三成は浴衣を着て、ある人物を待っていた。その人物とは…
「三成ー!」
人混みを分けて、手を振りながら早足でこちらに向かって来る彼女…伊達政宗。この2人は所謂、カップルである。鈍感である彼女を振り向かせるのは、すごく苦労したが、今はこうして晴れて、恋人同士になったのだ。
パタパタと駆けてくる彼女の姿は、程よくメイクがされており、髪もあげて髪飾りをしており、綺麗な浴衣を着ていた。政宗の綺麗な姿に三成は思わず、見惚れていた
「oh…浴衣…似合ってねーか…?」
黙り込んでしまった三成を見て、何か誤解した政宗は眉を下げてシュン…としてしまった。そんな姿も愛おしく感じ、今すぐ抱きしめてやりたかったが、理性を叩き起こし、なんとか耐えた
その代わりに、自分よりいくらか背が低い彼女の頭に手を乗せ、髪が崩れぬ程度に優しく撫でた
「そんな事、誰も言って無いだろう」
「…Really?」
「あぁ」
「そうか、良かった」
安心してホッとしてから、三成に向け、ふにゃりと微笑んだ。その微笑んだ姿があまりにも可愛くて、またまた見惚れていた三成に、回ろうぜ!と元気よく言ってきた彼女の言葉に気を取り戻し、あぁと小さく返事をして2人は賑わっている人混みの中へ入って行った。
予想以上の人の多さに2人とも入り口付近でリタイアしたくなりそうだったが、なんとか人混みを分けて奥へたどり着いた2人は、目の前にある金魚すくいをやることにした。
久しぶりにやる金魚すくいにワクワクしてやっていた政宗だが、どんなにやっても金魚はすくえないし、最終的にはポイが破れて終了してしまった。政宗は一言、shit!!と呟いて少し落ち込んでいると、後ろで政宗を見ていた三成が隣にしゃがみ、屋台のおじさんからポイを受け取っていた
「三成出来んのか?」
「まぁ、嗜む程度なら」
「Hum…」
どうにも心配だった。何事にも不器用な彼が、こんな器用さが重要である金魚すくいを出来るのだろうか…。もし出来なかった時に暴れたりしないだろうか…と意外と酷いことを思っていたが、政宗の心配は打ち消された
「Oh…you are great」
そう呟く政宗の視線の先には次々と金魚をすくっている三成の姿はだった。入れ物もいつの間にか金魚が入りきれなくなっており、2個目に突入していた。ポイは破れる気配も無く、次々と金魚をすくいあげている。もちろん周りにいる人々はあまりの凄さに三成を見ていたり、写メを撮っていたりしていた。
そんな異様な光景を見ている政宗は、すげぇと感心する反面、コイツ人間じゃねぇ…なんて思っていたりもする
そんなこんなで、ついにポイが破れたことにより金魚すくいは終了した。三成の右手には一匹の金魚が入った袋を持っていた。流石にあの量はいらなかったので、一匹だけ残してあとは全部戻したのだ。
「…やる」
「………Ah?」
ズイッと渡されたのは金魚の入った袋。よく分からずに袋と三成の顔を交互に見た。
「金魚が、欲しかったのだろ。だから、やる」
……あぁ、そういうことか。彼は自分のために一緒に金魚すくいをしてくれたのか。しかも、自分が狙っていた金魚をすくってくれたのだ
そう思うと嬉しくて、頬が緩み、ふわりと微笑んで礼を述べた
「Thanks」
「…どうってこと無い」
そうか、と言って彼を見れば土気色の肌が少しばかり赤く染まっており、目はあちこちさ迷っていた
「い、行くぞ!」
居たたまれなくなったのか、三成は先に歩いて行った。政宗はクスリと笑い、待てよーなんて言って彼の後を追う 政宗が三成に追いつき、並んで歩いてると、三成がギュッと政宗の手を握った
「離れたら、困るからな」
そう言う彼の顔は先ほどより、赤く染まり、まるで茹でタコのようだった。政宗も三成から手を握ったことにより、頬を赤く染めて、OKと言ってギュッと握っている彼の手をギュッと握り返した。
手を繋ぐ理由 (そんなの) (きみがすきだから)
―――――
おぇよく分かんねぇ(^p^) 女体化した意味がないぞww 甘にしようとしたのに全然甘くないであります! とりあえず、手を繋いで欲しかっただけと言う文章。いつも最後投げやりになるわ…
ちなみに着付けは小十郎、メイクやヘアーセットは孫市やかすがなどの女性陣の方々です。
戻る
|