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何も知らずに恋をした










『お兄様!重衡お兄様!雪です』


『そう引っ張らずとも見えておりますよ‥‥‥もう、雪の季節ですか‥‥‥』










思い浮かぶ彼の笑顔




どうして そんなに




儚いの








『絢子。我を困らせるでない』


『‥‥‥お父様、絢子を亡き者とお思い下さいませ』












物心ついた時からずっと

















『お兄様のいない世になど、存在する意味もありません!』


『絢子には、困りましたね‥‥‥』















ただひたすらに恋をした

真実には目隠しをして









桜、ひとひら


第一話、何故に祈り、何故に願う

  






 



  
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