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信じていたよ、敦盛くん
どんなに悲しくても
いつか出会えると。
信じていたよ
いつか結ばれると。
敦盛の生還記念とも言えるべき水の攻撃を見て、芸術のようだと景時が絶賛していた。
皆が口々に帰還を喜ぶ言葉を述べる。
ゆきの、満面の笑顔を隣に。
敦盛も、笑った。
流されて行った者の安否など皆、すっかり忘れて。
そして夜になると、二人の姿は屋根の上。
「もう、離れないでね」
「ああ。約束する」
彩り豊かな春の花の中を
からりと晴れた夏の空の下を
秋にはドングリや木の実を拾い
寒い冬は、身体を寄せあって
ね、敦盛くん。
あなたがいれば、全てが暁の空みたいに輝いているよ。
−完−
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