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再び始まったキスは激しくて、弁慶の舌がゆきの口内を激しく回る。


一度離れた唇。



「‥僕はもうずっと、君を欲しいと思っていましたよ‥‥‥僕のことだけを考えて、僕だけに反応するように」



ゆきが胸を二、三度上下して荒い呼吸をすると、またキスが降って。
それが何度も繰り返された。





唇を重ねたまま、弁慶の巧みな指と唇が夜着を剥いでゆく。

現れた剥き出しの白い肌。

唇が素肌を辿って、舐める。

そこから痺れる様な熱が生まれた。



「ゃあ‥っ、弁慶さっ‥‥!」

「苦しいですか?」



胸に埋めていた顔を上げて弁慶が尋ねる。
それにふるふると首を降ると、零れる涙。



痛みとは違う、けれど同じ位に身体を走る感覚が少し怖い。



「痛‥‥くないけど‥‥‥変なんです‥‥‥っ!」

「それが快感ですよ。ゆき」

「やだぁ‥‥恥ずかしいっ‥‥」

「恥ずかしがる事はありません。乱れるゆきはとても‥‥‥綺麗です」

「ひゃ、あああっ」



音を立てて柔らかい胸元を吸い上げると紅い華が咲いた。

そこかしこに口接けすれば答えるようにビクッと跳ねる。

同時に上がる甘い声。



「‥‥‥可愛い」



初めて見るゆきの姿に
弁慶はいつしか、のめり込んでいた。








「‥‥‥君を抱くのは、これからも僕だけですからね」

「うん。弁慶さんも‥‥私だけが、いいよ」

「ええ‥‥君だけでいい。愛しています」



弁慶の全てが嬉しかった。

優しい顔も、愛しそうにゆきを見つめる眼差しも、甘い囁きも、熱い手も。
みんなみんな愛しい。





いつか‥‥‥自分を忘れても


いつか‥‥‥弁慶の中でゆきが過去の人に、なっても。

今の瞬間は、きっと残る。

身体の何処かで、きっと。




「‥‥‥愛しています、ゆき」

「んっ、!!」



衝撃がゆきを襲う。





でもそれは、思っていたよりずっと甘くて、痛みを伴ったもの。




















act19.光を求めて

20090510
 


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