※会話オンリー 「御幸くん御幸くん」 「なんですかマネージャーさん」 「ファーストキスはレモンの味とか言うじゃないですか」 「まあ、よく聞くな」 「でもね、どんなに世界が引っくり返ったとしてもさ」 「ああ」 「哲さんは緑茶の味でファイナルアンサーだと思うの」 「ぶはっ、確かにレモンって人じゃねえよな」 「で、考えたんだけどさ」 「うん」 「野球部にレモンの味しそうな人いなくね？ と」 「あー……あー……小湊は？ 弟の方」 「確かにめっちゃいい匂いしそう」 「だろ？」 「でもレモンってかサクランボじゃない？」 「それ髪色だけで言ってるだろ」 「ならお兄さんの方は……なんだろ、分かんない……ベリー系？」 「それ言ったらクリス先輩とか絶対チョコ味だろーな」 「じゃあ増子先輩はプリン味？ 美味しそうでいいなあ」 「純さんは？ 意外とレモンっぽくね？」 「分かる。でもレモンより、なんだろ、スポーツ飲料の味であって欲しい」 「何その願望」 「いやなんかあるじゃん」 「分かる気もすっけどさ。えー、じゃあ丹波さんは？」 「丹波さんこそレモンじゃない？」 「いやー、そういう青春の味ってタイプじゃねえだろ」 「ならミントとかかな。爽やかでいいね」 「じゃ倉持は？」 「あいつ炭酸好きだし絶対コーラの味するよ」 「あー、ありそう」 「降谷は……いや分かんないな……何？ あいつ何食って生きてんの？」 「未知の生物か何かかよ。でも確かにイメージできねーな、無味無臭っぽい」 「でしょでしょ。あとは──あ！ 沢村は？ あいつ青春真っ盛り！みたいな顔してるし」 「どんな顔？」 「沢村は絶対レモンだよレモン！ いたわーっ、青道にもレモン味！！」 「そりゃよかった。因みに俺は？」 「え、分からん。焼きそばパンじゃない？」 「そりゃさっき食ってたからな」 「御幸ってなーんか食べ物のイメージないんだよね」 「意外とレモンだったり？」 「いやーありえないね」 「何で分かるんだよ」 「いやいやレモンって顔じゃないでしょどう見ても」 「じゃあ試してみろよ」 「は？」 「で、どう？」 「……ひ、人のCCレモン奪っておいて、どうとはなんだキサマ！」 「せめてファーストキス奪われた方に怒れよ」 「煩い！ ドーピングは反則だよ、失格失格！！」 「なんだよ、あんな話するからキスしたいのかと」 「違うわばかたれ！！」 「お前ら此処が教室だってこと忘れてねえ？」 「「あ、おかえりコーラ味」」 「頼む神様、このバカップルに天誅を下すか早くクラス替えしてくれ」 |