汝、抑止の輪より来る天秤の守り手なりや?

※タイトルでぴんと来ない方は非推奨

※某有名なソシャゲのパロディ未満の何か

※分からない人向けに説明とかは特にない

※全力でふざけているので全力で笑うか流すかしてください

※ 何 で も  許 せ る  方  向 け














































ホグワーツは総勢千人ほどの生徒が同じ城の中で何年と過ごしていく。千人、世界最大規模の魔法学校、なんて言われると何だか途轍もない規模に聞こえなくもないが、都会の中学・高校の全生徒を足した人数と同じぐらい、と言われると途端にコミュニティの狭さを感じられるのではないだろうか。おまけに、そんな狭いコミュニティのメンツは早々変化せず、彼らは学生生活の七年という長い時間を親元から離れて閉ざされた城の中で過ごすのだ。つまり何が言いたいかというと、そんな狭いコミュニティ内では世間世俗とは一風変わった“流行”というものが局地的に発生しては、あっという間に過ぎ去っていく、ということだ。

それはジャンルは問わない。時にはお菓子だったりするし、時にはラジオで流れる音楽だったりするし、時にはちょっとしたゲームだったりもする。現代日本に生活していた私からするとかなりささやかで可愛げのあるものではあるが、学生たちは間違いなくホグワーツという狭き箱の中で自分たちの風を巻き起こし、飽きたらまた次を探しに行った。実に年相応らしいと笑う私や流行に疎いハーマイオニーは、そんな流行の最先端を肌で感じるロンの話を聞いては穏やかな日々を過ごすのだった。

──とある、“流行”以外は。



HGO[ホグジーオー]?」

「そうさ! 蛙チョコレートのカードなんかより、何倍もエキセントリックなカードゲームなんだぜ!」



何百枚もカードを集めてる奴が何を言ってるのか、そんな視線がハーマイオニーから発せられるが敢えて何も口出ししようとしないのは、回復した友情を損なわないようにするためか。彼女の成長に嬉しく思いながら、膝の上で小魚にがっつくシュバルツを指先で撫でた。

時は三年生の学期末、試験だバックビークの処刑裁判に向けて控訴資料をかき集めている最中、最近あちこちで蛙チョコレートのカードとは少し違う絵柄のカードを片手に向き合う生徒たちを見かけるようになったことに気付いた。流行の最先端にいる友人に訪ねてみれば、何てことはない、とあるカードゲームが流行っている、という情回答だった。確かに言われてみれば、廊下の端や寮のテーブル、大広間の隅っこで手のひら大ぐらいのカードを複数枚並べて体面でギャアギャア言い合う生徒──特に男子生徒──をよく見かけた。ゲーム大国日本と異なりこっちはあまりゲームという概念は一般化されてないように感じるが、魔法界は本土ともまた違った空気があるように思う。



「君たちもやってみるか? というか、やってみてくれよ!」

「いやそんな時間ないし……」

「テストや控訴が終わったら少しぐらい時間作れるだろ? 頼むよ! このゲーム、チェスと同じで二人いないと出来ないんだ!」

「シェーマスとかディーンとかいるじゃない」

「あの二人は強すぎて僕じゃ相手にならないんだ!」

「ネビルは?」

「ばあちゃんに怒られるって始めてもくれない!」



要は対戦相手に困っているらしい。ばあちゃんストップがかかるのはネビルらしいが、チェスをやらせたら負けなしでお馴染みのロンが勝てないと言うそのカードゲームに、ほんの少し興味がわいてきた。



「いいわ。話聞かせて。いい息抜きになりそう」

「さっすがアシュリー、話が早くて助かるぜ!」

「息抜きもいいけど、学生の本分は忘れちゃダメよ?」



はしゃぐロンに下らないと言い切れないのか、ハーマイオニーは控えめに期末試験の存在を示唆する。分かってる分ってる、と、ロンは嬉しそうに立ち上がって私たちを連れてグリフィンドール寮へ向かう。



「えーと、まずはカードを買うところからだな」

「カードを買うって……ふくろう通信とかで?」

「まさか!」



そうしてロンに案内されたのは、長蛇の列を作っている談話室の一角。みんな財布を握りしめ、わくわくした面持ちで列に並んでいる。そうしてその先にいるのは、小銭と引き換えにカードと思しき何かを手渡す双子のウィーズリーだった。



「なに、双子が流行の発祥ってわけ?」

「そういうこと! あの二人すっげえよ、商売の才能があるんじゃないかな?」



そう遠くない未来に自分の店を構える双子に対し、的確な評価を下すのは流石弟といったところか。どうやら双子が作ったカードとゲームルールが爆発的に大ヒットし、今やホグワーツ生のほとんどがそのカードゲームに没頭しているのだという。販売元が双子しかいないので、こうしていつもいつも長蛇の列ができる、というわけか。確かに列並んで双子からカードの入った袋を受け取った子は、中身を見ては一喜一憂の反応、中には互いのカードをトレードしている子もいる。なるほど、“私”が子どもだった頃、日本のコンビニなどでよく見かけた風景である。

そうして列に並んでいる間に、カードゲームの概要をロンから説明される。



「ふんふん。つまり、カードには歴史上の偉人や神話の神々が描かれていて、自分でデッキを組んで戦わせることが出来るのね」

「そういうこと。偉人たちは七つのクラスに割り振られて、それぞれクラスごとに相性がある。剣にまつわる逸話を持つ偉人はセイバーって設定で、弓にまつわる逸話を持つアーチャーに弱い、とかね」

「そんで各クラスが三竦み四竦みになってて、偉人ごとのスキルや……えーと必殺技?」

「宝具だよ」

「そうそう、宝具で戦う。戦うと偉人を育てるための素材をドロップするからそれを使って偉人を育ててまた戦わせる……へえ、面白そうじゃない。私、魔法史とか歴史好きだし、楽しめそう」

「みんなが魔法史の時間にほんの少しでも起きる努力をしてくれたら、私も文句ないわ」



あまり興味を示さないハーマイオニーと違って、私は俄然食いついた。何それ楽しそう、と。ダドリーとテレビゲームして盛り上がれる程度には私もゲーム好きだったし、何ならゴブストーンや爆発スナップもチェスも大好きだ。少しだけウキウキしながら順番待つこと十数分、ようやく私たちの番になった。一パック三シックルと、中々良心的な値段である。ポケットから小銭を出そうとすると、双子が私たちの顔を見てギョッとした顔をした。



「なに。女子には売れないって?」

「い、いや。何でもないさ。なーんでも」

「ほ、ほら。一パック三シックル。スターターキットなら五シックルだ、どれにす──」

「──やった! ねえ見て! キャスターのアシュリーが当たったよ!!」



今、とんでもなく聞き捨てならない声が聞こえたような。



「──おっと残念。売ってあげたいのは山々だが品切れのようだ」

「うむ。非常に心苦しいところではあるが今日はお引き取りを」

「待たんか双子」



くるりと背を向けダッシュで去ろうとする双子に、私は容赦なく全身金縛り呪文を向けた。呆気なく床に転がる双子を引き摺り、その聞き捨てならないセリフを実に嬉しそうにのたまった少年──コリン・クリービーの元へ向かう。



「コリン。ごめん、今、なんて?」

「うわあ、本物だ!」



声をかけられ、飛び上がらんばかりに驚くコリン。人の顔見て本物だって言うことありますか、ねえ。しかし、声をかけられたのは自分だと分かるや否や、コリンは頬を紅潮させ、興奮気味に必要な情報をぺらぺら喋ってくれる。



「何って、アシュリーのカードだよ! アシュリーは星五だし、とってもレアなんだ! 持ってる人、ほんとに少ないんじゃないかな! 宝具は被攻撃系だから前線に立つタイプには見えないんだけど、スキル構成と宝具が驚くほど噛み合ってて最後の最後まで立って戦えるぐらい強いんだよ! モーションもボイスもすっごく凝ってて、僕もうアシュリー引きたくて何シックル使ったか分からな──」

「ありがとう。コリン、申し訳ないんだけどそのカード、ほんの少し貸してもらえるかしら? あとで絶対返すから、絶、対、に」

「いいよ! いつかアシュリーがアシュリー使うところも見たいな!」

「ええ。いつかね」



気前よくカードを手渡し、実に嬉しそうにニコニコしながら去っていくコリンを後目に、床に転がる戦犯を爪先で小突く。コリンから借りたカードには、確かに私の写真がでかでかと貼り付けられていて、『Caster アシュリー・ポッター』と銘打たれている。カードを覗き込んだロンやハーマイオニーは呆れ顔。

私は双子を逃げ出さないようにロープで縛って逆呪いをかけて、言い分を聴取することにする。



「で、どういうこと?」

「アシュリー。君は自分を過小評価しすぎじゃないか?」

「そうさ。こうしているとただの学生にしか見えないだろうけど、君は並居る偉人たちに比類するだけの偉業を成し遂げたんだぜ」

「確かに、アシュリーのことは『近代魔法史』や『黒魔術の栄枯盛衰』とか『二十世紀の魔法大事件』には名前が載っているわね」

「ありがとう、ハーマイオニー。つまりそういうことさ。君の偉業は全世界の魔法使いが知ってる」

「だったらこのゲームに登場したって何ら不思議じゃない、ってことさ」



のうのうと宣う双子に、私はにっこりと笑みを深めて杖を高々と掲げた。



「他に、何か、言い残すことは?」

「「勝手に写真撮って商品化してすみませんでした」」



縛られたままこうべを垂れる双子に、私はようやく杖を下ろした。

──ちょっとした出来心だったと、双子は語る。小遣い稼ぎに思いついたカードゲーム、色々な偉人・神話を調べるうちに『そういやアシュリー・ポッターも十分偉人なのでは?』と行きついた双子は、早速私の写真を隠し撮りしてカード化した。身近にいる人間をゲーム内で使えるという部分が爆発的にウケたらしく、双子は調子に乗ってダンブルドアだのバブリング先生だのをカード化していった、という話らしい。



「こういうゲームは見知った名前がないとつまらないだろう? マグルの偉人を出したってだーれも喜ばない。ところが、だ」

「魔法界で縛るとほとんどが魔法使い[Caster]になっちまう。そこで、アシュリーを始めとした現代の魔法使いも取り入れることにしたのさ」

「勿論、ターゲットはアシュリーだけじゃない。クィディッチの国際選手のビクトール・クラムなんかはライダーだし、伝説の闇祓いのマッド・アイ・ムーディはアサシン、件のシリウス・ブラックはバーサーカーだ」

「ちょっと! まさか闇の魔法使いまでカード化してるわけ!?」

「目くじら立てるなよ、ハーマイオニー。みんな怖がってるよりはいいだろ?」

「流石に例のあの人は自重したぜ。売り上げに響きかねないからな」



破戒的な倫理観の合間から、開発陣の悲しい裏事情が見え隠れしている。私といいシリウス・ブラックといい、人選がタイムリー過ぎではなかろうか。私の呆れが伝わったのか、背中のフードに入ったままのシュバルツがもぞもぞと動き出した。ムーディがアサシン、シリウス・ブラックがバーサーカーという部分も、中々当たらずとも遠からずなのが絶妙である。



「でも安心してくれ、アシュリーは強キャラにしておいたから!」

「何に安心しろと?」

「キャスターのアシュリーの宝具は『生き残った女の子』だ。こいつはどんな凶悪な呪いからも生き残ったっていうアシュリーの逸話が宝具として昇華されたもので、どんな攻撃も敵に跳ね返すことが出来るっていうカウンター系宝具なんだ」

「ただし自分だけで、パーティ全体を守ってくれる宝具じゃない。スキルも『心眼(真)』で身を守りながら『魔術B』でNP貯めて、『ルーン魔術の申し子』ってユニークスキルでHPを回復しつつ粘って戦う、感じだな。大分自己完結型にまとめた」

「私の前で私のカードの性能を語るな」

「なるほど……パーティの殿に置いて最後まで粘るタイプかあ。逆にパーティメンバーが残ってると力を発揮しないってことか。いかにもアシュリーっぽいじゃないか!」

「「だろ!?」」

「どこに意気投合してんの?」



しかもそれ褒めてないだろ、と悪びれない双子を睥睨しても、事は既に双子の手を遠く離れている。レアカードとは言っていたが、一体どれほどの私のカードを量産したのか、そしてそれが誰の手に渡っているのか調べるのには途方もない時間がかかるに違いない。バックビークの控訴を控えている今、カードを回収する時間もない私に出来ることはと言えば、これ以上カードを生産させないことだけだ。



「あのね、いくら、その、私が有名人だからっていっても、どこの誰とも分からない奴に写真を持ち歩かれていい気はしないのよ。お願いだからこれ以上私を使った商売はしないで。さもなくば、私も出るとこ出るわよ」

「「と、言うと?」」



何をしてくるつもりだ、とばかりにニヤつく双子も、私たちがバックビークの為にあくせく走り回っていることを知っているのだろう。時間のない君に何が出来るのかお手並み拝見、とばかりの挑戦的な笑みだ。だが、切り札は常に私の手の中にあるということを、二人はお忘れらしい。



「今すぐふくろう便であなたたちのお母様にこの件の仔細を送り付けるわ」

「オーケイ、ボス。俺たちの負けだ」

「今後君のカードは作らないと神に誓うよ」

「魔法使いが神様に誓いを立てるなんて、驚くほど不誠実ね」



突如きりりと真顔になる双子に、醜悪な汚物を見るような目でねめつけるハーマイオニーのツッコミはとても冷徹なものだった。我が子のように可愛がってくれる私が一声泣き付けばウィーズリーおばさんのカミナリは双子を狙い撃ちすることは目に見えていたし、何だかんだ双子も母親に弱いことを、私はよくよく知っているのだ。私相手に悪事を働こうなどと五十年早いわ。



「ったく、ちょっと考えればこうなることぐらい分かってたでしょう。あなたたちの損得勘定はその程度だったとは思えな──」

「──出たあ! シェーマスのセイバーアシュリーだ!」

「ひぃーッッ、フロントが全部焼き払われる!!」

「いつ見てもすごい火力だなあ!」



遠くから再度聞き捨てらない声が再び。



「──因みにセイバーのアシュリーはバリバリの攻撃型だ。スキルは独断と偏見で怪力を入れさせてもらった」

「『生存願望』はこれまたアシュリーだけのユニークスキルだな。これと宝具をかみ合わせてるととんでもない火力になるだぜ」

「因みに剣からビームが出るようにしたのはフレッドの案だ」

「その代わりクラススキルに狂化を入れたのはジョージだろ」

「あ、馬鹿! それは言わない約束だろ!」

「 セ イ バ ー の 私 っ て 何 ? 」

「「お袋だけは!! お袋だけには言わないでくれ!!」」



羽根ペンと羊皮紙を取り寄せながらそう告げれば、双子は今度こそ泣き付くように懇願し始めた。いや、泣きたいのはこっちなんですが。



「なるほどね!! バレる前に一稼ぎしようって私のカード何種類も作ったわけね!! 馬鹿なのか天才なのか一瞬迷っちゃったじゃない! いい加減にしなさい馬鹿双子!! どんだけ私のカードを作ったのよ!! 言え!! どんだけ私で稼いだ!!」

「い、嫌だなあ! 人聞き悪いぜ、アシュリー。そんな作ってないよ!」

「市場に出回ってるのはキャスター、セイバー、ライダーぐらいだな。今、バーサーカーとアルターエゴを製作してたとこだ」

「う、裏切るつもりかよ、ジョージ!!」

「もう隠し通すのは無理だ! お袋に知られてみろ、俺たちの帰る家がなくなるぞ!」



お淑やかさをかなぐり捨てて双子の胸倉を掴み上げればアッサリとゲロった上に制作陣同士で仲違いが始まった。そうして私とフレッドとジョージがぎゃあぎゃあと侃々諤々の議論の末、双子の可能な限り、私のカードを回収することに話が落ち着いた。



「いいこと! 事情を説明してカードを回収して、ちゃんとお金を返して、もう二度と私の写真を使って馬鹿な真似をしないと誓いなさい! さもなくば今回の件、そっくりそのままウィーズリーおばさんに告げ口するわよ! 私、本気だからね!!」

「フシャー!!」



シュバルツも怒ってくれているのか、毛を逆立たせて私の肩の上で双子を威嚇していた。ありがとう私の小さな家族。そうして双子にカード回収を命じた私は肩をいからせてその場を去った。その後、双子は言いつけ通りに黙々と私のカード回収を続けた。売値の倍で回収するという話になれば、僅かなお小遣いでやりくりしていた子どもたちは素直に私のカードを返していたようだ。彼らが素直にカードを返した理由の一つに、何故か私のカードにはまるで何本もの爪で引っかかれたようにズタズタに引き裂かれていて目も当てられない様だった、という裏事情があったのだが、その真相はアシュリー・ポッターのサーヴァント化事件が幕を閉じると共に闇の彼方へと消えていったのだった。

しかし、事は意外な展開に転がっていった。

私のカードが回収されようと、HGOの人気に陰りを見せることはなく、寧ろ時間が経つごとに人気を博していた。おかげでホグワーツの男子生徒の八割はHGOに熱中しているほどだった。しかし、ここで問題が発生した。私のカードはどうもゲーム内でもそこそこの強さを持っていたようで、回収を命じられた、謂わば禁止カードであるにも関わらず──否、この場合は禁止カードであるからこそ、裏で私のカードでプレイする輩が現れた。当然だ、今や生産されず、ほとんどのプレイヤーが双子に回収されたカードなのだ。持っているだけでHGOプレイヤーから羨望の眼差しを受けられる、しかも強カードときた。今や激レアといっても過言ではなくなった私のカードは、例えカード面がズタズタに引っかかれていたとしても、双子の目の届かぬ場所でついに転売まで始まった。単にHGOで勝ちたい者、カードは全部集めたいコレクター気質の者、レアカードを持つことでマウントを取りたい者、観賞用に欲しがる者──最後のはちょっと信じたくない話ではあるが──とにかくそんな者たちが取引に取引を重ねた結果、最初は学生でもギリギリ手の届く数ガリオン程度だったようだが、いつしかそれは数十ガリオンへと膨れ上がっていき、最終的にはそこらの箒数本分の値段に釣り上がったのだという。古今東西、転売ヤーが減らない原理を目の当たりにしたような気分である。

さて、何故私がそんな身の毛のよだつような転売話を知っているか。答えは一つ、この話が公になったからである。当然だ、箒数本が買えるような金を学生如きが持っているはずもなく、親に頼み込むことも出来ない彼らは親に無断で家の金を持ちだしたのである。で、知らぬ間に家の金が減っていることに気付いた親たちは、子どもたちが金を持ち出している先がホグワーツであることを突き止めた。そこからは話が早い、横行する転売、釣り上がっていくカードの値段、金銭感覚が狂っていく子どもたちの惨状を知った教員たちは全員からカードを取り上げて全員を医務室へ入院させて軽い忘却術をかけられたという。他の生徒たちは大広間で集められ、事の成り行き、そして顛末をあのマクゴナガル先生が真面目腐った顔でつらつら話し始めるもんだからみんな笑いをこらえるのに必死で肩を震わせていた。

しかし、とどめの一言で我慢が出来なかった。



「──今後ホグワーツ魔法魔術学校において、HGOの一切を禁じます!」



結果、宣言通りホグワーツにおいてHGOをやろうもんならカードはフィルチを始めとした教師陣に没収され、そうしてホグワーツからはカードゲームが焚書の如く消えていき、良い商売になると思ったのにと戦犯双子は肩を落として終わったのだったが、マクゴナガル先生のクソ真面目な一声は多くのホグワーツ生の爆笑を生みだしたことだけは、まあ、青春の良き一ページとして刻まれたのかもしれない。





―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―
クッソ下らないお話なんだけどネタはずっと前から考えてた。
で、いちの。さんより頂いたドリームいっぱいのイラストに妄想が爆発して
結果、こんなことになってしまった。
許してください悪気はないんです。

FGOパロってこういう意味じゃねーよって言われそうだけど
こっちの方が話が面白かったのでついこんなの書いてしまった。
許してください悪気はないんです。

いちの。さんに捧げます、こんなあったかもしれない夢物語。
以下、考えてた設定だけ。


真名:アシュリー・ポッター(術)
レア度:☆5
カード構成:A2Q2B1
クラススキル:陣地作成(E):自身のArtsカードの性能をアップ
       道具作成(A):自身の弱体付与成功率をアップ
保有スキル:魔術(B):自身のアーツカード性能をアップ(1T)
      心眼(真)(C): 自身に回避状態を付与(1T)&自身の防御力アップ(3T)
      ルーン魔術の申し子:自身のクリティカル威力アップ(3T)&自身のHPを超回復

宝具:生き残った女の子[ザ・ガール・フー・リヴド]
   防ぐ術なしと言われた死の呪いから生き残った逸話が宝具として昇華したもの
   1ターン自身に無敵付与&非ダメージを跳ね返す(OCで威力アップ)&呪い状態を付与(3ターン)【デメリット】
   Arts宝具

真名:アシュリー・ポッター(剣)
レア度:☆5
カード構成:A1Q2B2
クラススキル:対魔力(A):自身の弱体耐性をアップ
       騎乗(C)自身のQuickカードの性能をアップ
       狂化(EX):自身のBusterカードの性能を少しアップ
保有スキル:怪力(B+):自身の攻撃力をアップ(3T)
      心眼(真)(C): 自身に回避状態を付与(1T)&自身の防御力アップ(3T)
      生存願望(A++):自身に毎ターン徐々に Bastar性能がアップする効果を付与
宝具:昂揚せし獅子の剣[ブレイブ・オブ・グリフィンドール]
   伝説のバジリスクをも打倒したグリフィンドールの剣との逸話が宝具として昇華したもの
   敵全体に強力な一撃、撃破数に応じて攻撃力が増加(OCで効果アップ)、Bastar宝具
   当然ですがビームが出ます[ここ笑うところです]

騎・狂・分版は特に考えてないです。


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