カカシは物足りなかった。
今が任務中で、ここが外だというのも分かっているけれど……

「キス」と呟いたのは無意識だったが、したかったのには違いない。
自覚して

「…キスしていい?」

と改めて問うと、ナルトは目を白黒させながらも頷いてくれた。
それをいいことに、視線を合わせながら何度も唇を合わせ、仕舞いにはカカシのベストにしがみつくようにして受け入れるナルトの様子に目尻を下げて…
カカシはますますこの程度じゃ足りなくなってしまった。

だから、

『今日終わったら家に行く。待ってて』

ナルトの耳元に口を寄せ、囁いた時には、今日抱いてしまおうと心に決めていた。










「……痛い?」

「だ、だいじょうぶ……」

ギシ、とベッドのスプリングが軋み、下にいるナルトが顔をしかめて答える。
大丈夫と言いながらその瞳は涙目だ。

カカシが気を使って暫く動かずにいると堪り兼ねたように両腕を伸ばし、カカシの頚に回して肩に顔を埋めた。

「カカシ先生……、すき、だってば」

「……俺も好きだよ」


──もしかしたら、もう俺の方が。


それまでの経験で培った技術を駆使して、ナルトの了承を得ることなく行為に至ったカカシに、ナルトは少しも抵抗しなかった。

それどころかその内側に入り込むと、告白してきたあの日と同じ、潤んだ瞳でカカシを好きだと言って抱き着いてきた。
温かい温もりに芯から包まれて、身体のみならず心までもが満たされていく。

「ん、あ、っせ……せんせ……」

顔中にキスを落としながら抽挿すれば、やがてナルトは苦痛だけではない声を出し始めて、カカシは余裕のない笑みを浮かべてそれを見下ろした。

「……大丈夫。ゆっくり、するからね…」

正確にはそうしないと自分が先に達してしまいそうだったからなのだが。
肌に吸い付き、鬱血した赤い痣をこれでもかと残していった。
自分だけのものという印。

──こんなにも誰かに惚れ込んだのは初めてかもしれない。









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