ジッパーを引き下ろし、前を開かせて、首筋へと吸い付いた。
出会った時に比べて体つきは随分しっかりしたものになった。
あの頃は本当に華奢で小さな子供だった。
カカシの感情もこれほど育ってはいなかったのに――二年半の時を越え、再会してから狂い始めた。

鎖帷子をたくし上げ、健康的な肌を撫で回す。
ナルトは……影分身のカカシは、もう何も言わなかった。
冷めた眼は変わらないが、胸元に吸い付いても喉を反らし、感じ始めている。

「……『先生』って言ってよ」

乳首をしゃぶりながら促すと、目尻を赤くし「カカシ先生」と掠れた声で言った。

息が荒くなる。
下半身はもう萌えており、ナルトのモノを撫で上げながら、自分のズボンもきつくなった。
前が張って痛いほどだ。

アンダーシャツを脱ぎ捨て、ズボンの前立てを開いて足から引き抜く。
ナルトのものもそうしようとして、カカシは眼を瞠った。

まさか、と思ったのと時を同じくしてドンドン、と玄関のドアが叩かれる。

「カカシ先生!」

本物の、ナルトの声。
凍り付き、下を見ると、半裸のナルトが苦い顔でカカシを見遣り、ボフンと姿を消した。
術を解いたのだ。

何とも言い難い経験値が流れ込んできて、口元を押さえる。

ドアは相変わらず力強く叩かれていて、カカシは急いで行動した。
アンダーシャツに頭と腕を通し口布を上げて、ズボンに足を通す。
ズボンのチャックは前が膨らんでいるせいで上まで上げられず、顔だけ出せばいいだろうと慌てて玄関のドアを開けた。

「おっすカカシ先生!……って、なんかボロボロだな。風呂入ろうとしてたのか?」

本物のナルトは、やっぱりすごく可愛くて愛らしい。
元気良く笑顔を見せたかと思えば、慌てて服を着たカカシの様子に気付いたらしく、不思議そうな顔をして見せた。

「ああ。……何?何か用?」

下半身が興奮状態でズボンをちゃんと着れていない為、悟られないよう、開けているドアの隙間は僅かなものだ。
口頭で済ませられる用ならさっさと済ましてナルトを帰したい。

「へへ、それがさ〜、一楽に寄ったら、おっちゃんが家で作れるインスタント一楽ラーメンってのを開発してて、試作品貰ったんだってばよ!見て見てコレ!」

そう言ってナルトが喜色満面で得意げに掲げたビニール袋には、麺やらスープやらがどっさりと入っていた。

「ああ……」

とにかく早く帰したいものだから、何と返していいか思い付かない。
今、あまり心は穏やかではないのだ。

つい先程までナルトの姿をした自分を相手に、キスをしたり、身体に触ったりしていた。
身体を繋げようとしていた。
心臓に悪い。

「でさ!せっかくだからカカシ先生と一緒に食おうと思って!試作品食うの俺達が第一号だって!俄然燃えちまうよな」

悪戯っ子っぽい顔をしたナルトがドアの隙間を大きく開け、中に入ろうとして、カカシは慌ててノブを引き、それを阻止した。

「何だよ?」

「ダメだ。今は都合が悪い」

「何で?」

今、部屋の中に入れると、カカシの身体が興奮していることがバレてしまう。
それ以前に、自分はナルトに何かしてしまうかもしれない。





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