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果たしてこれが熟女百合なのか、私にもわかりません(笑)← ※吸血云々の話なので、苦手なひとは見ないでください 相変わらず文才ないので、行間を読んでくださいね(^.^)b← ↓ 「ねぇちょっと!そこのアフォ面の魔女さんよ」 「いきなりなぁに?ヴァカ面の吸血鬼さん」 今時5歳の子どもでも言うか怪しいほど低レベルな悪口の応酬は、人間が五代生きて死ぬくらいの間続いてきた、いつもと同じ彼女と私との挨拶。 「君に、ちょっと頼み事があるんだ」 「ふーん?」 それを互いに流して、くだらない話をし出すのも昔から変わらないことで だから、唐突で予想外な彼女の発言にまともな反応が出来なくても、仕方ないと思うんだよね 「私、もう永くないみたい」 「………………………は?」 「それで、これ以上醜い姿になる前に私を終わらせて欲しいんだ」 「ちょ、ま、え?」 「本来我々は不老不死に限りなく近い存在。だけど、私はもうダメみたいなんだよ。力も以前ほど出ないし、髪のコシも肌のハリもなくなって来た」 彼女は、そう淋しげに言いながら手を差し出してきた。 確かに昔のそれとは違う 相変わらず綺麗ではあるけれど、筋や血管が目立ち、まるで普通の人間みたいだ 「昔なら、膝を曲げて勢いをつけずともシーダーを飛び越したり、一息のうちに真冬のデンマーク海峡を泳いだり、当たり前にできたのに。堕ちたものだよ」 え デンマーク海峡泳いで渡るとか夏でもキツくない? てゆうかシーダーの木飛び越えるのとあそこ渡るの同列にしちゃダメでしょ 「これ以上老いていく自分に耐えられない。だから、君に……薬を作って欲しい。私を滅する薬、君ならできるだろう?」 確かに、私の煎じる水薬ならば彼女の命を奪うのも可能 だけど 「ちょっと待って!」 「なに?」 「あんたもしかして、………血……飲んでないの?」 吸血鬼は不老不死 銀の杭で心臓を突けば死ぬ、なんて人間は勘違いしてるけど、実際はそれだけでは死なない。 魔女の水薬を使うか、銀の杭を心臓に刺したまま青い焔で一晩 これが本当の、吸血鬼の殺し方。 もうひとつ挙げるとすれば、 非純潔の乙女の血を吸うと死ぬらしいけど 彼女達がそんな失敗をすることはほぼないだろう。 “殺しても死なない”を体現するような彼女が、弱り老いる理由 死の気配を感じる理由 それは、自らの性に逆らい吸血していないから そうとしか思えない。 「あれ?…ばれてた?」 「バカにしてるの? 自分だけ逃げようったってそうはいかないからね?」 吸血鬼程じゃないけど、 魔女だってなかなか死なない 彼女が今死んだら、(今までも永く生きてきたけど)この先私が死ぬまでの時間はあまりに永すぎる。 その永い時間、いったい私は誰を罵倒すればいいのよ 「…手厳しいね、相変わらず」 「当たり前。甘い顔するとすぐつけあがるから」 「そう…… で、理由、訊かないの?」 「訊いてほしいの?」 「………どうだろう? 自分でもわからないや」 「……なによそれ…」 「………………………………………………どうしても死にたいわけじゃ、ないんだ」 やたら間をあけてこぼれた言葉 ふざけていない、彼女の本心 「ただ、ね。 血を飲み、生きていたいとも思えない」 「………」 血を飲みたいって、吸血鬼の原始的欲求じゃないの? 「もうずいぶん前から、嫌になってしまって。 ここ一世紀は飲んでない。 それで、身体が弱ってきたんだと思う」 「……そう…」 「“血を啜ってこそ吸血鬼” まあ確かにそうなのかもしれない。でも、もう欲しくないんだ」 苦しげに息を吐き出して、手を握り締める彼女 鋭いその爪が、肌を傷つけないといいんだけど… 「……………私の………私の血も?」 「……え?」 「私の血でも、いらない?」 彼女の、私を映す瞳の奥に揺れる思いに気付かない程、私は鈍くなかった 自惚れかもしれないけど 「………そ……れは………」 擦れた、焦りの滲む小さな声 それが答えだ 「ついでに言えば、私、処女だよ?」 もうひとつ。 自分の気持ちを抑え彼女を手放せる程、私は大人じゃない 「え……あ、うん………」 「煮え切らない、ね」 ほら、とローブをずらして、此方も肉の落ちてきたデコルテを晒せば、 一瞬で彼女の瞳孔が開く。 バッと手で口元を隠すその行動は、彼女が吸血衝動を抱いた証にしかならないのに 「………ほしく、ないの?」 「………………………君の血を………欲しくないわけ、ないだろう?」 「じゃあ、「自己犠牲とか同情とか、君にしてほしくない」 なにを言ってるわけ? このヴァカは 「へぇ? つまり、あんたは私のことをちっとも信用してないわけね」 「なっ、私がいつそんなことを言った!?」 「だってそうでしょう? あんたの発言、私が同情心で誰にでも献血するって言ってるようなものじゃない!」 「違う!」 「違くない!! 私のことを信用してるって証明する気があるなら、ごちゃごちゃ言ってないで早く吸えばいいでしょ!?」 「………………………まったくもう………ひとの気も知らないで………。 あんなことしなければよかったって……君が、あとでどんなに後悔しても知らないから」 最後の一言は、ほとんど私の肌にあたった どうせ飲むんだから、最初から『血をくれ』って言えばいいのに ほんとにバカだ 気持ちを素直に言えない私はもっとバカだけど “給血”に精一杯の愛を込めて もう声を上げて愛を叫ぶ程若くないから、それくらいがいい
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