Take a suck at my love!
by アキ
2011/05/16 23:27
果たしてこれが熟女百合なのか、私にもわかりません(笑)←
※吸血云々の話なので、苦手なひとは見ないでください
相変わらず文才ないので、行間を読んでくださいね(^.^)b←
↓
「ねぇちょっと!そこのアフォ面の魔女さんよ」
「いきなりなぁに?ヴァカ面の吸血鬼さん」
今時5歳の子どもでも言うか怪しいほど低レベルな悪口の応酬は、人間が五代生きて死ぬくらいの間続いてきた、いつもと同じ彼女と私との挨拶。
「君に、ちょっと頼み事があるんだ」
「ふーん?」
それを互いに流して、くだらない話をし出すのも昔から変わらないことで
だから、唐突で予想外な彼女の発言にまともな反応が出来なくても、仕方ないと思うんだよね
「私、もう永くないみたい」
「………………………は?」
「それで、これ以上醜い姿になる前に私を終わらせて欲しいんだ」
「ちょ、ま、え?」
「本来我々は不老不死に限りなく近い存在。だけど、私はもうダメみたいなんだよ。力も以前ほど出ないし、髪のコシも肌のハリもなくなって来た」
彼女は、そう淋しげに言いながら手を差し出してきた。
確かに昔のそれとは違う
相変わらず綺麗ではあるけれど、筋や血管が目立ち、まるで普通の人間みたいだ
「昔なら、膝を曲げて勢いをつけずともシーダーを飛び越したり、一息のうちに真冬のデンマーク海峡を泳いだり、当たり前にできたのに。堕ちたものだよ」
え
デンマーク海峡泳いで渡るとか夏でもキツくない?
てゆうかシーダーの木飛び越えるのとあそこ渡るの同列にしちゃダメでしょ
「これ以上老いていく自分に耐えられない。だから、君に……薬を作って欲しい。私を滅する薬、君ならできるだろう?」
確かに、私の煎じる水薬ならば彼女の命を奪うのも可能
だけど
「ちょっと待って!」
「なに?」
「あんたもしかして、………血……飲んでないの?」
吸血鬼は不老不死
銀の杭で心臓を突けば死ぬ、なんて人間は勘違いしてるけど、実際はそれだけでは死なない。
魔女の水薬を使うか、銀の杭を心臓に刺したまま青い焔で一晩
これが本当の、吸血鬼の殺し方。
もうひとつ挙げるとすれば、
非純潔の乙女の血を吸うと死ぬらしいけど
彼女達がそんな失敗をすることはほぼないだろう。
“殺しても死なない”を体現するような彼女が、弱り老いる理由
死の気配を感じる理由
それは、自らの性に逆らい吸血していないから
そうとしか思えない。
「あれ?…ばれてた?」
「バカにしてるの?
自分だけ逃げようったってそうはいかないからね?」
吸血鬼程じゃないけど、
魔女だってなかなか死なない
彼女が今死んだら、(今までも永く生きてきたけど)この先私が死ぬまでの時間はあまりに永すぎる。
その永い時間、いったい私は誰を罵倒すればいいのよ
「…手厳しいね、相変わらず」
「当たり前。甘い顔するとすぐつけあがるから」
「そう……
で、理由、訊かないの?」
「訊いてほしいの?」
「………どうだろう?
自分でもわからないや」
「……なによそれ…」
「………………………………………………どうしても死にたいわけじゃ、ないんだ」
やたら間をあけてこぼれた言葉
ふざけていない、彼女の本心
「ただ、ね。
血を飲み、生きていたいとも思えない」
「………」
血を飲みたいって、吸血鬼の原始的欲求じゃないの?
「もうずいぶん前から、嫌になってしまって。
ここ一世紀は飲んでない。
それで、身体が弱ってきたんだと思う」
「……そう…」
「“血を啜ってこそ吸血鬼”
まあ確かにそうなのかもしれない。でも、もう欲しくないんだ」
苦しげに息を吐き出して、手を握り締める彼女
鋭いその爪が、肌を傷つけないといいんだけど…
「……………私の………私の血も?」
「……え?」
「私の血でも、いらない?」
彼女の、私を映す瞳の奥に揺れる思いに気付かない程、私は鈍くなかった
自惚れかもしれないけど
「………そ……れは………」
擦れた、焦りの滲む小さな声
それが答えだ
「ついでに言えば、私、処女だよ?」
もうひとつ。
自分の気持ちを抑え彼女を手放せる程、私は大人じゃない
「え……あ、うん………」
「煮え切らない、ね」
ほら、とローブをずらして、此方も肉の落ちてきたデコルテを晒せば、
一瞬で彼女の瞳孔が開く。
バッと手で口元を隠すその行動は、彼女が吸血衝動を抱いた証にしかならないのに
「………ほしく、ないの?」
「………………………君の血を………欲しくないわけ、ないだろう?」
「じゃあ、「自己犠牲とか同情とか、君にしてほしくない」
なにを言ってるわけ?
このヴァカは
「へぇ?
つまり、あんたは私のことをちっとも信用してないわけね」
「なっ、私がいつそんなことを言った!?」
「だってそうでしょう?
あんたの発言、私が同情心で誰にでも献血するって言ってるようなものじゃない!」
「違う!」
「違くない!!
私のことを信用してるって証明する気があるなら、ごちゃごちゃ言ってないで早く吸えばいいでしょ!?」
「………………………まったくもう………ひとの気も知らないで………。
あんなことしなければよかったって……君が、あとでどんなに後悔しても知らないから」
最後の一言は、ほとんど私の肌にあたった
どうせ飲むんだから、最初から『血をくれ』って言えばいいのに
ほんとにバカだ
気持ちを素直に言えない私はもっとバカだけど
“給血”に精一杯の愛を込めて
もう声を上げて愛を叫ぶ程若くないから、それくらいがいい
わふっ
by アキ
2011/05/20 22:51
世界史の参考書を眺めていて、
「ヨーロッパいいなー
→ファンタジー的な何かが書きたい
→吸血鬼!?なら相手は魔女だ!勿論百合的な意味で!!」
と、かなり飛躍する残念な脳ミソの持ち主な私を、ほめていただきましてありがとうございます(笑)
なんだか逆に申し訳ない気分になってきます(^ω^;)
些か展開が早すぎて、苦悩を書ききれませんでしたorz
吸血鬼Sideも書かなきゃわかりにくいですね、すみませんm(__)m
あと、
吸血鬼さんからすれば、
吸血=欲
魔女さんからすれば、
給血=愛
この溝を埋めるまでの過程をメインにしたかったのですが、設定が非現実なばかりに、説明で終わってしまいました……
次こそは!
といつだか宣言したような覚えがありますが、
本当に次こそは、もっとずっとマシなお話が書けるよう頑張ります(´・ω・`)
言葉遣い…
初めて誉められた気がします(笑)
「分かりにくい」「遠回りしすぎ」「説明不足」とばかり言われてますが……
メイ子様に理解していただけるなら、この先なんと貶されても大丈夫な気がしてきます\(^O^)/←万人に受け入れられるよう頑張れよ
よい作品、と思っていただけたなら幸いです(*^_^*)
メイ子様のアンテナが良いのでしょうね♪
返信ありがとうございましたvV いつでもいただけるだけで嬉しいので大丈夫ですよ!!
はふう…(´ω`●)=3
by 管理人
2011/05/20 21:02
初めてこのお話を読ませて頂いた後の感想は、「す、すげえ…っ!!!」の一言でした(*´∀`*
)いやもう、本当にアキさんの脳味噌はどんな風になっているか知りたいです!現代のお話から、こんなに素晴らしいファンタジーまで完璧に描ききれるなんて、心から尊敬しますっ(≧≦)
熟女百合の域を超えた所で、深い感動を覚えました。魔女さんと吸血鬼さんの永い、永すぎた関係が、命を懸けて変革される様はあまりに美しく切なくて、目眩を覚えた程です。
ストレートな告白が出来ない代わりに、“給血”してみたり…そういう熟女萌えポイントもきちんと抑えてらっしゃるのも流石アキさんです!お二人とも永く生きてる割に不器用な所とか、熟女あるあるだなと思いニヨニヨしちゃいました(*^^*)
あと今回改めて、アキさんて言葉の使い方が上手いなあと思いました!字で見ても音にしても、滑らかで意外性のある文体が本当に凄くて勉強になります(´ω`●)=3心理描写も巧みなので、見習わないとなあ…。
美しい絵本のようなお話が読めてしあわせでした(*´∀`*)良い作品は心が豊かになりますね♪ありがとうございました(^^)
最後になりましたが、感想が遅くなってしまい申し訳ありません;
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