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「どうして勝手に魔物退治なんかに向かったの!?僕が守ってあげるって、そう言ったよね!?」
両手で掴んだ私の手をぶんぶんと揺さぶりながらアンジェは言う。
アンジェ曰く私は理想のお姫様らしい。たしかに私の家は裕福だ。けれど私の性格はお姫様とは程遠い。何処に魔物退治に向かうお姫様がいるというのだ、いい加減覚めてほしい。彼女は私が親に疎まれ家から逃げてきたものだと思い込んでいるが世界を知ろうと家を出ただけで定期的に帰ろうとしているし、私兵に追われていたと彼女が勘違いした出来事だってあれは早とちりな私に親切な警備の方が忘れ物を届けにきただけのことだ。
これらをちゃんとアンジェに伝えれば全ては解決するのだろう。しかし私が理想のお姫様でないとわかった瞬間、彼女の目が私に向くことはなくなるだろうとも感じていた。
私は彼女を面倒に思いながらもなんだかんだでアンジェのことが好きだったのだ。

20160422

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