(3/5)
  希望の光を彼の森に3



カムイの本能は逃げろと伝えている。
でも姉ちゃんを助けたい、自分の力ではマディスを倒すことは出来ないと体が一番理解している、それでも自分は姉ちゃんを守りたい。
(僕一人の力じゃ、姉ちゃんを助けられない…どうすれば……)
もうなす術がないと思われた、そのとき、
「ピーッ」
遠い空の向こうから、隼の鳴き声のようなものが聞こえてきた。
「ファル、コ…?」
それはカムイの耳にも届き、僅かな希望をもたらした。
「お願いファルコ、力を貸して!!!」
「ピュイーッ!」
カムイの呼び声に答え、ファルコが勢いよくこちらに向かって飛んで来る。
そしてカムイにぶつかるかと思われた瞬間、二人は共に眩い光に包まれていった。
「なに、これ…力が…沸いてくる……?」
カームの周りを優しい光包み込む。
それは傷ついたカームを癒し、力を与えた。
「なんだ……何をした、小僧ぉぉぉぉぉぉぉ!!」
カムイを包んでいた光が収束していくのと同時にマディスはカムイに向かって攻撃を加えようとした。
それを見たカームは立ち上がり、マディスに向かって行った。
「カムイィィィィィィィ!!」
「ぐはっ!」
先程は全く攻撃を受け付けなかったマディスの装甲に傷がついた。
「これなら…いける!」優しい光はカームを守り、力を与えていた。
カームはありったけの力を込めて竜巻を起こし、マディスに向かって放った。
「やぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
カームの放った竜巻はマディスを取り込み切り刻んでいく。
危険を感じたマディスは全力を振り絞って竜巻から抜け出し、出てきたときと同じように暗い森の、闇の中へと消えていってしまった。






(  )




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -