● MONTH? F

「もしかして…“紅葉”?」

「あっ!!」

「そうですよ!
生王さん!!」



私は胸をホッと撫で下ろす。


「“紅葉”とそのご友人が結び付く事、何か心当たりあります?」

「えぇ!
あるわ!!
その友達とよく行く店、必ず“紅葉”の樹があるのよ!
そっかぁ〜、あのお店かぁ〜。」



なるほど、だから答えが“紅葉”なのか。


「でも何で“紅葉”に関係してるって解ったの?」

「それはこの文章、全部『花札』に関係しているからですよ。」

「…どういう事?」


矢口さんはよく分からないといった顔をして首を傾げる。


「花札って月毎にカードが別れてるんですよ。
1月は松、
2月は梅、
3月は桜、
4月は藤、
5月は菖蒲、
6月は牡丹、
7月は萩、
8月は芒(坊主)、
9月は菊、
10月は紅葉、
11月は柳(雨)、
12月は桐の絵が描かれてるんです。
これをナゾナゾの文章と比較すると…。」


―――――――

“2月”は2人で酸っぱい“梅”干し食べたっけ。
“5月”は久しぶりに腕相撲の“勝負(菖蒲)”したり。
“9月”は一緒に“菊”人形を見て、“次の次(11月)”は土砂降りの“雨(柳)”の中走ったっけ。

それじゃあ、“10月”に一緒に行った所で待ってるね♪

―――――――

「なるほど〜!
そういう事だったの!
ありがとう伊綱ちゃん、これで待ち合わせ場所も解ったし今後のスケジュールも決めれるわ。」


「いぇいぇ、これくらい朝飯前ですよ♪」

「ふふっ、流石ね。
じゃあ用件だけで何だけどこれから仕事なの、だから失礼するわ。
紅茶もご馳走様、また何時かお礼するわ!
またね♪」



そう言うと矢口さんは事務所を出て行った。

私と伊綱君はその後ろ姿を見送る。


「う〜ん、結局僕の出番は無しか…僕の存在忘れられてるし。」


わざとふて腐れた様に言ってみたが伊綱君は全く意に介さない様に笑う。


「ふふふ、後もう少し早く解ってたらきっと出番もありましたよ。」

「ホントに!?」

「えぇ、勿論です。
今回の評価はBってとこですかね?
あと一歩!」


「あっ!評価の事忘れてた!!
くっそ〜、後少し!」


今回、予告は無かったが最近ことある毎に評価を付けられていた事を忘れていた。

まぁ、でも評価がBならそんなに悪くないか。


「まぁまぁ、その氷の溶けた紅茶でも飲みながらゆっくりしてって下さい。」

「えっ?!
これ飲むの??
氷溶けたとは言えまだまだ冷たそうなんだけど…。」

「私の入れた紅茶が飲めないんですか?」

「…飲みます。」


そして私はちびちびとキンキンに冷えた紅茶を飲みながら事務所でゆっくり過ごしたのだった。



HAPPY END?


お疲れ様です。
あと一歩、惜しかったですね。
伊綱よりも先に解っていれば評価は確実にA!
そんな生王を見たい人は次のページをどうぞ♪


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