生王は彩子にも見える様に卒業アルバムを開いた。
「この集合写真、生王さんは…あ!
これですよね?」
「うん、そうだよ。
よくこんなに早く分かったね。」
「あんまり変わらないんで。」
楽しそうにアルバムを見ている彩子に対して『今も僕って学生に見えるの?!』とは聞けず、こっそり落胆する生王。
それには気付かず彩子は写真の中に弥勒院を見付ける。
「ひょっとしてこれ先生ですか?」
「ん?
あぁ、そうだよ。」
「わぁ、凄く面影ありますねー。
先生髪長かったんですね、この頃。」
「そうそう、切りに行くのが面倒だ、とか言って。」
![](//static.nanos.jp/upload/k/karino10/mtr/0/0/20100511121802.jpg)
ページをめくって行くと修学旅行の写真が出て来た。
「これ何してるとこですか?」
「これはねー、修学旅行先の海で僕が皆に海に沈められてるとこ。」
「ふふ、仲良いんですね。」
そんな会話をしながら次々にページをめくって行き、生王が思い出話を披露しては彩子は笑った。