矢口さんは一度だけしっかり頷くと携帯を取り出した。
「お見通しね、これなんだけど…。」―――――――
2月は2人で酸っぱい梅干し食べたっけ。
5月は久しぶりに腕相撲の勝負したり。
9月は一緒に菊人形を見て、次の次は土砂降りの雨の中走ったっけ。
それじゃあ、10月に一緒に行った所で待ってるね♪
―――――――
「…これだけ?」
私も伊綱君も顔をしかめる。
「そうなのよ!
もう全くお手上げ状態!!
助けてよ伊綱ちゃん!」伊綱君はナゾナゾの文章を見詰めながら手を顎元に添えて考え込んでいる様だ。
「これ、実際にそのご友人とこんな事したんですか?
例えば9月に一緒に菊人形見たり…。」「ううん、全部身に覚えがないの。
この月に何かあった訳でもないし…数字自体も特には…。」「ん〜、じゃあこの出来事や数字自体は矢口さんとは関係が無いんですね。
生王さん解りました?」「えっ!
僕っ?!
僕は………。」
⇒解った!⇒解らない…