● 君が居ないと笑えない J

癸生川は、新体操の様にやはり華やかに美しく何回転もしながら伊綱の元へ行く―――この時生王は(この人実はバレリーナみたいな柔らかい筋肉の持ち主なのかも)とどうでもいい事を考えて居た。


「彼が何故ここに居る!
それに部屋が暑過ぎるぞ!!」

「あぁ、それは彼が河川敷で落ち込んで居たのでかなり身体冷やしてたんで暖まって貰おうと思いまして…。」


そう説明すると伊綱はエアコンのリモコンを再び操作した。


―――そっか…そんなに心配してくれてたのか…特別親しい訳でも無いのに。


生王がじーんとして居ると、伊綱と癸生川はソファーに座って紅茶を飲みながら談笑を始めた。


「それがまた面白いんですよ。
あの歳で人目も気にせず河川敷で号泣してたんですよ!
それはそれは鼻水がだらだら流れる位に豪快に!」

「なるほど、それは実に生王君らしいな!!」


生王は先程の“伊綱が女神”は即撤回した。

………紅茶も結局二人で飲んでるし。


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