● 君が居ないと笑えない I
「君はアイ・ケー・ユー・アール・ユー・エム・アイ君じゃないか!!」
「???」
「何故ここに居る?!」
突然の奇抜過ぎる登場に、突然のよく分からない呼び掛け、そして突然の当然である質問に生王は困惑しながら頭を整理する。
―――この人は癸生川って言う探偵だ。
―――相変わらずちょっと…、いゃ、かなり変わってるな。
―――『アイ・ケー・ユー・アール・ユー・エム・アイ君』って何だ?
―――『I・K・U・R・U・M・I』ぁ、なるほど。
「こら!
僕が質問して居るのに無視するな!!」
「わっ、す、すみません。」
「それはいい。」
謝ってもこれではどうすれば良いのか…と悩み掛けて居たら、奥から伊綱がお盆に二つのティーカップを乗せて出て来た。
「あ、先生起きてらしたんですか。」
この時ばかりは生王には伊綱が女神の様に見えた。
このすんごい人を何とか出来そうなのは彼女位なものだ。