● 君が居ないと笑えない A

すると忘れていた居心地の悪さを覚え、上体だけを起こすと先程から僅かに聞こえていた、外からの車のエンジン音と人々の賑わった声が少し大きく聞こえてきた。

汗で頬にへばり付いた横髪を耳に掛けるとゆっくり布団から抜け出し、冷えたフローリングの床に足を下ろす。

窓辺まで行きカーテンを開けると冷たい隙間風に汗が冷やされ思わず身を震わせる。

窓の外では何時もより多くの人が歩道を歩いていた、皆楽しそうに。

ここ最近どうして多くの人が賑わっているのかを思い出す。

そして、何故あんな夢を見てしまったのかを。


「…気持ち悪い。」


窓から離れ、タオルや着替えの衣服を持ってバスルームに向かう。

脱衣所で寝汗により肌に張り付いた服を脱ぐと、酷く身体が冷え切っている事に気付いて驚く。

先程から自分自身の事なのに色々な事に気付かずに居る自分に驚いたのだ。

とりあえず冷えた身体を暖める為と気持ちの悪い汗を流す為にバスルームに急ぐ。


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