● 最後の願い A
当然バルフレアも僅かばかりの休息を思い切り羽を伸ばすつもりで居たが―――彼にしても数年振りの実父との再会はかなり堪えたのだ―――、バッシュの心優しい気遣いによりヴァンとパンネロ以外が旅の準備をする羽目になったのだ。
だからバルフレアの機嫌はあまり良くない。
そんな風にした原因である人物と彼は道具を買い揃え、大量の荷物を抱え街を歩く。
「ホント、愉快だねぇ。」
「悪いな、どうも子供達の事が心配でね。」
そう言ったバッシュは実に爽やかな笑顔だった。
そんなバッシュの言動を見て、バルフレアは心底深い溜息を吐いた。
どうやらバッシュは、ヴァンやパンネロの仲間であるラバナスタの子供達が長期間彼等に会えなくて寂しかっただろうと気持ちを汲んで、自分達が買い出しをする事と買って出たそうだ。
しかも今現在持っている荷物はバルフレアよりも随分多く持っていると来た。