「ホント、最後まで迷惑だな。
オレって………。」
自嘲ぎみにそう言って目を閉じた。
彼の声がこだまする。
『気持ち悪りぃ』
『勘違いするな』
『迷惑なんだよ』
遠い蒼い空を見ようと瞼を上げる。
だけど空は厚い雲に覆われ、上空からはキラリと光る雪が舞い降りるだけ。
「兄さん…、オレこんなに簡単に棄てるつもりじゃなかったのに。」
「ごめん……。」
「でも、身体が言う事聞かないんだ。」
楽に、なりたい…。
この先が楽かなんて、誰もわからないのに。
また一筋涙が流れた。
「兄さん、パンネロ、ミゲロさん…ごめん。」
かくんと膝を付いた後、ぱたりと雪の地面に倒れ込む。
ラバナスタの服のままじゃここではすぐに冷える。
それに武具も全く身に付けず、丸腰の状態で。
だけどそんな事は構わなかった。
眠ってしまえば、もう………。
でもやっぱり最後に浮かぶのはあの人で。
一緒に居たたった少しの間の奇跡みたいな日々を思い出す。
「ごめん……バルフレア。」
「大好きだよ。」
再びゆっくり目を閉じる。
雪の暖かさを感じながら。
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2010.03.17.wed. norika 拝