● 消えない想い 最終話

「ホント、最後まで迷惑だな。
オレって………。」


自嘲ぎみにそう言って目を閉じた。



彼の声がこだまする。


『気持ち悪りぃ』


『勘違いするな』


『迷惑なんだよ』



遠い蒼い空を見ようと瞼を上げる。

だけど空は厚い雲に覆われ、上空からはキラリと光る雪が舞い降りるだけ。


「兄さん…、オレこんなに簡単に棄てるつもりじゃなかったのに。」





「ごめん……。」



「でも、身体が言う事聞かないんだ。」





楽に、なりたい…。


この先が楽かなんて、誰もわからないのに。


また一筋涙が流れた。


「兄さん、パンネロ、ミゲロさん…ごめん。」


かくんと膝を付いた後、ぱたりと雪の地面に倒れ込む。

ラバナスタの服のままじゃここではすぐに冷える。

それに武具も全く身に付けず、丸腰の状態で。

だけどそんな事は構わなかった。



眠ってしまえば、もう………。



でもやっぱり最後に浮かぶのはあの人で。


一緒に居たたった少しの間の奇跡みたいな日々を思い出す。


「ごめん……バルフレア。」













「大好きだよ。」



再びゆっくり目を閉じる。

雪の暖かさを感じながら。





Continue ...



2010.03.17.wed. norika 拝


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