● 消えない想い C
わかってたんだ………。
別の路地裏でひっそりと独りで泣いた。
本当は、今すぐにでも逃げ出したかった。
けど、そんな事したらバルフレアに…皆に迷惑掛けるから。
次の日からもオレは必死で今まで通りを演じた。
皆とは勿論、バルフレアともいつも通りに。
下手な笑顔を作って、それでも一緒に居たかったから。
せめて、この感情を忘れるまで。
けれど
それはバルフレアには迷惑な事で。
バルフレアはオレとは必要最低限しか会話しなかったし、オレが話掛けてもすぐに会話は途切れた。
それは当然な事だと思う。
けど、そんなに大人じゃないオレは当然の拒絶にもいちいち傷付いて………辛い。
ある日、久々に宿を取った。
だけど三人部屋で、その日は近くに居なければいけない分、野宿より余計辛かった。
オレは部屋の空気に堪えられず外に出てこっそり泣いた。