● 消えない想い B
その代わり堪えてた涙が流れ落ちた。
わかってたんだ…迷惑な事だって。
―――走りながら崩れて行ったと思った感情の欠片が拾われていく。
この気持ちがただの“尊敬”や“憧れ”じゃない事に気付いた時、絶対にこの気持ちは隠し通すと決めた。
―――本当は、今は崩れたままで居たい、拾いたくない感情を。
ただ一緒に居て、話を聞いて、沢山教えてもらって、それだけで充分だったから。
―――時間が経つにつれ、それは現実味を帯び、再び感情として戻って来る。
悟られない様にしていればずっとこのままで居れると思ったから。
それが気付かれてしまった。
気付かれない様にしてた…。
少なくともオレは努力してたのに。
オレが…悪いんだ。
「……ごめん………。」
思わず独りで呟いて居た。
わかってるんだ…。
バルフレアの反応は極普通の物だって。
男が男に恋愛感情を持たれたら多くの人が気分を悪くする。