● 消えない想い A
その位胸が痛んで、裂けた様だった。
バルフレアの視線に耐えられず、こちらから目を背ける。
………わかってるんだ。
「俺は女が好きなんだ。
それも美人で、大人のな。
ガキで男のお前なんか論外なんだよ。」
「………っ……。」
何か言わなきゃ、と思ったけど言葉が出なかった。
言葉を考える事が出来ない位錯乱していて、また耐える事の出来そうにない、今にも足が崩れそうな痛みを胸に感じて居たから。
「ちょっと一緒に旅をして、飛空艇の事教えてやったからって…。」
「勘違いしてんじゃねぇよ。」
ガラガラと壊れる様だった。
痛みとか苦しみとかを感じるんじゃなくて、ただ壊れる様だった。
その言葉を受け止めれる余裕が無くて、気持ちとか感情とかそういった類いの物を受け付けれなかった。
「……………ごめんっ………。」
オレはそれだけ言うと思いっきり走って逃げた。
バルフレアの顔を見れなくて、下を向いたまま走った。