● 君のせい 7
ヴァンがパンネロの横に腰を下ろすと、すぐにパンネロが口を開いた。
「ヴァン、大丈夫?」
突然の問いにヴァンは多少困惑する。
何故自分は心配されるのだろう、と。
考え込む事はあまり好きでは無いヴァンは逆にパンネロに問う。
「何で?」
「だってヴァン、顔が赤いんだもの。」
その言葉を聞いてヴァンはまたドキリと動悸が激しく鳴るのを感じた。
また顔が赤くなりそうなのを必死で抑え、吃りそうになる言葉をゆっくりと短く確実に述べる。
「オレ、平気だけど。」
「もうっ!
嘘ばっかり!」
パンネロは少しムッとした表情になり顔をヴァンの方へ寄せ咎める。
急に顔を近付けられた為、慌ててヴァンは顔を退ける。
ふぅ、とパンネロは一つため息を吐くと元の位置に戻りヴァンに言う。
「やっぱり顔、赤いよ。」
―――ヤバい。
自分自身でも何がどう“ヤバい”のかよく分からなかったが、ヴァンはとにかくそう思った。