● 君のせい 6

何故自分の気持ちがこんなにも高揚しているのかは分からなかったが、皆の居る日陰まで行くその短い距離がヴァンにはとても貴重な時間の様に感じていた。



日陰に辿り着くとバルフレアはヴァンがちゃんと着いて来ている事を確認してから、見回りから戻って来たフランの元へ行った。

何か二人で話している様子をヴァンがぼんやりと見詰めていると彼等とは逆の方から声が聞こえた。


「ヴァンー!
こっちこっち!」


声のする方を見遣るとヴァンの幼馴染みである少女―――パンネロが座ったままの状態で左手で手巻きしている。

ヴァンがそちらに気付いた事を認識すると、パンネロは右手で自身の右側にある岩の表面を何度か払った後、今度はぱんぱんと軽く岩を叩く。

どうやら隣に座れという事らしい。

その意図を理解してヴァンは少し駆け足でパンネロの傍まで行く。

するとにっこりと笑いながらパンネロが、座って、と声に出して自分の隣に座る事を促した。


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