● Free -鳥- A

その言葉を聞いて余計にバルフレアはがっくりと肩を落とした。













「おい。」


何時の間にただ黙って居るだけの子供を放って置けなくなったのか。

そんな考えが一瞬でも過ぎった自分自身に嫌気がさす―――出来ればこんな事には気付きたく無かった―――声を掛けた人物がこちらを振り向くまでに、思わず浮かんだ考えを払うとバルフレアは彼の傍まで寄る。

いかにも疲れた様に取り澄まして再び声を掛ける。


「何してる。」

「…考え事。」

「一人で考え事って玉か?」


もういい、と言ってむっすりとしたヴァンはずかずかと先を行く皆の元に向かおうとする。

しかし、バルフレアに腕を思い切り引っ張られ蹌踉めいたヴァンは再び彼の傍まで寄る。

何すんだよっ!、と言いながら今度はヴァンが思い切りバルフレアの腕を払う。


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