● 君に似合う物 A

だが今は一刻も早く帝都アルケイディスへ向かい大戦を防ぐ為、ヴェインから破魔石の力を打ち砕かなければいけないのだから彼にももっと常に緊張感を持って貰いたいとアーシェは考えていた。

アーシェは考える事を止めて今すべき事に集中する。

これからも長旅になる事は必至で、購入する道具の数量も多くカウンターに置くだけで重い。

必要な物だと分かりながらもこれを一人で持つのは酷く億劫であった。

先程作ったばかりのお金を道具屋の店員に渡すと、替わりに道具を受け取ろうとした。

すると購入したばかりの道具を横からひょいと取られる。

何をするのかと取った相手を睨むとそこに居たのは―――何処かに行ったままだと思っていたヴァンだった。

荷物を全部持つとヴァンはアーシェの目を見て言う。


「お前さ、常に気張り過ぎだよ。」

「なっ!」


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