● 09'Valentine E

始めは勢いよく否定していたが徐々に声が小さくなり、恥じらう様に足を組むパンネロの態度にトマジもフィロもニヤニヤしだしたがそれもつかの間。

パンネロは再びトマジに自分の手作りチョコを差し出す。


「味見して!
ヴァンに美味しいって言って貰いたいの!!
フィロにも後で友チョコとしてあげるからね。」


パンネロの可愛らしい笑顔も今のトマジとフィロには大魔王にしか見えない。

フィロが顔を青くしながら弱々しくパンネロに言う。


「あ…アタシの分はいいよ。
パン姉、全部ヴァン兄にあげなよ。」

「遠慮しなくていいの。
皆の為に作ったんだから!」


満面の笑顔のパンネロに、トマジとフィロは“遠慮じゃねぇよ!!!”と心の中で叫喚していた。

しかし、このままこの様な会話を続けていても埒が明かないと踏んだ男・トマジは遂に決死の覚悟を決めた。


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