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言われたとほぼ同時に電車がカーブに入り、少し揺れる。

けれどそんな事は思考に入って来ず、こういう事をさらりと言ってしまいのける彼に、アーシェは頭を抱えながら深く溜息を吐いた。

そして本当に頭痛が起こりそうになりながらも、間を置いてようやく言葉を繋げた。


「…あのねぇ、私だから大丈夫だけれど、他の子なら勘違いするわよ?」


そう言えば相変わらず何を言われたのかよく理解して居ない表情で、うーん、と少し唸るとヴァンはやっぱり判らないと言う風に返答する。


「…よく意味判らないけど、俺はアーシェが好きだから。」

「!!!」


その瞬間こちら側の扉が開いた。

長い様で短い乗車時間が終わったのだ。

しかし、あったはずの車内アナウンスはアーシェの耳には入らず、扉が開いた事に酷く驚いた。

流れる様に人が押し寄せ、うわっ、とヴァンの声が聞こえた。


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