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「たった2つしか違わねぇじゃん。」

「学生の頃の“2つしか違わない”は意味が大きいのよ。」


アーシェは厳しい声でそう諌めたが、ヴァンは、ふーん、と気の無い返事だけして、聞いていた携帯音楽プレーヤーを停止しイヤホンを外した。

あまりに“何でもない”と言う事を態度で示され、アーシェは言葉も見つからず、今日何度目になるか判らない溜息を吐くと、何か機嫌悪いな、とヴァンが堂々と言ったのを聞いて彼女は改めて思う。


“嫌な事は重なる”


暫くすると、既に満員となった電車が到着し、少数の人数が出て、大勢の人々が乗り込む。

まさにギュウギュウ詰めとなった車内に、駅員や朝のラッシュ時のみ雇われたスタッフが乗客を詰め込む。

その一連の作業は正に“詰め込む”と言う言葉がピッタリで、乗客と言う名の荷物を列車と言う名の箱に、入れさえすれば良いという感じで詰め込まれるのだ。


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