怒った様にも呆れた様にも、何とも受け止めにくい、何とも言えぬ表情と声音で彼は言う。
「お前何がしたいんだよ。」
「………。
貴方に、何が判るって言うの…。」
絞り出す様に言ったその言葉は風に流され上手く伝わらず、少年は、え?、と聞き返す。
背を向けたまま顔だけをそちらに向けてキッと彼を睨みつけると大声で―――それはまるで悲鳴の様に―――叫ぶ様に言った。
「私はっ、強くならなければいけないのよ!!」
その言葉に少年は驚きのあまり目を大きく見開くがそんな事には目もくれず彼女は歩き出す。
何処にも無い筈の力を怒りに任せ振り絞り、歩き出した彼女は街に戻るまで誰にも頼らなかった。
――*―*―*―*―*――
「それはお前が悪い。」
「…なっ!」
事細かに、詳細に。