● unreasonable D

その隙に元々の脚の速さを活かし、一気に距離を離しその場を免れた。





ハァハァと肩で息をし、痛む腕にそっと逆の手を添える様に置くとその場に崩れた。

それを見た助力してくれた、自分もよく知る少年は傍まで来て片膝をつくと回復魔法を詠唱した。

少し落ち着いた所で早速来るであろう質問を投げ掛けられた。


「お前、何考えてんだよ。」

「“お前”は止めてよ!」


声を荒げてそう言葉を発するとその少年をキッと睨んだ。

すると一瞬驚いた後、彼もムッと彼女を睨み返した。

回復を続け様とする彼の腕を無理矢理振り払い、勢いよく立ち上がると彼に背を向けた。

ふらつきそうになる身体を必死に堪えて。


「皆お前を探してんだぞ。
何でこんな夜中に砂漠に何か出るんだよ。」


ギュッと手を握り締めた。

魔力を使い果たしてしまって居た為、自分自身で回復する事も叶わず、更には何も判って居ない彼の援助をこれ以上受けるのもプライドが許さなかった。


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