● unreasonable C
その時腕に激痛が走った。
伸し掛かられた時に直に敵の重みが掛かったのだ。
悲鳴を上げる事すら出来ぬ痛みに苦悶の表情を浮かべると、一際強い風が吹いた。
―――こんな所でやられる訳には…!!
しかしまたも予想外に、だが今度は逆にその風は自分の味方をした。
吹き荒れたその風はリンブルウルフの目を直撃し、大いに砂を叩き付け目潰しした。
苦しみ悲痛に叫ぶ敵を他所に、何とか身を敵の懐から逃がすと今度は誰かに痛んでいない方の腕を思い切り引っ張られた。
「こっちだ!!」
強引にぐいと起こされてその場を勢いよく走り抜けた。
怒れる獣はそれを許さず、傷んだ目をぎらつかせこちらに猛進して来た。
それに気付いた手を引いた主は手にして居た武器を取り替えハンディボムを投げ付けた。
えいっ、と乱暴に―――かなり大雑把で適当に―――投げ付けた様に見えたそれは再び敵の目元へと見事に命中し爆発した。