雲一つ無い空に、際立って強い光を放つそれを一瞬睨んだ後敵を斬り裂いた。
きゅーんと虚しい断末魔を残して散ったウルフを斬った剣を見る。
それは光に照らされ、妖しく光った様に見えた。
自分の何かを表して居る様に思えて、それが無性に嫌で、振り払う様に剣を振るとズシリと重く感じた。
気付けば上がっている自身の息が岩に反射して聞こえてきた。
―――情けない。
そう思った。
たった少しの敵を、己だけではこれ程にも労力を要し、時間も掛かってしまう事に。
自分の身体が震えてきたにも関わらず、剣を握る手に力を込め直した。
これでは駄目なのだと、自分に言い聞かせて。
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それからも数十匹のウルフを倒し、一息つこうと冷えた岩影に腰を降ろす。
要所要所は金属で防護された足も、長時間一人で戦闘を続けて居るとそれも多少傷み褪せた様に見えた。